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平家物語の群像 建礼門院④洛北・大原の里へ
花橘(はなたちばな)むかしを偲ぶよすがにしようと以前の住人が植えていた花橘のやわらかな匂いが、風にのって漂ってきた。建礼門院がその香りをかいでいると、ほととぎすが二声三声鳴きながら飛んで行った。花橘とほととぎすの取り合わせに興趣を覚え、硯の蓋にしたためた。○ほととぎす 花橘の 香を止めて 鳴くは昔の...
View Article平家物語の群像 建礼門院⑦宮殿から草庵へ
牡鹿のとほるにてぞありける大納言典侍(だいなごんのすけ)が外にでて辺りを眺めると、牡鹿の通った跡があった。戻ってきた大納言典侍に、建礼門院が尋ねる。「何の音でしたか」大納言典侍は涙をこらえて、一首詠んだ。 ○ 岩根ふみ 誰かは訪(と)はん 楢の葉の そよぐは鹿の...
View Article平家物語の群像 建礼門院⑨女院はどこへ行かれた
阿波内侍 (あわのないし) 信西の娘 大原女の祖後白河法皇は、池に散り敷いている数知れない桜の花びらを眺めて、こう詠んだ。○ 池水に 汀(みぎわ:水際)の桜 散り敷きて 波の花こそ...
View Article平家物語の群像 建礼門院⑬親子の情愛
安徳天皇と建礼門院建礼門院が、涙をこらえて語りはじめた。「このように落ちぶれたことは確かに辛うございますが、後生菩提のためには喜ぶべきことではないだろうかと思うようになりました」・後生菩提...
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