薄雲⑫梅壺、里下り
第十九帖 薄雲光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 光源氏31歳 紫の上23 朱雀院34 女院/藤壺尼宮36 冷泉帝13 秋好/梅壺女御22 権中納言/頭中将36 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 源氏がかねて期待していたとおり、斎宮の女御/梅壺女御は若い冷泉帝の守り役を果たしてくれているし、一番のお気に入りでもある。...
View Article薄雲⑬多情
第十九帖 薄雲 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 映画 『源氏物語 千年の謎』夕顔(芦名 星)に襲いかかる六条御息所(田中麗奈)の生霊。 死者の霊が【死霊】、生者の霊魂が肉体を離れて飛び回る霊が【生霊】。 六条御息所【元東宮妃】で、すべてに恵まれた才色兼備の貴婦人。 主要な女君たちの中で最年長。源氏より7歳年上。 激しい嫉妬に駆られて『生霊』と化し、二人の女...
View Article薄雲⑭花鳥風月
第十九帖 薄雲 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 花鳥風月の「細密画」 伊藤若冲 ○●○ ○●〇 養父の源氏からいきなり艶めいたことを聞かされた梅壺女御は、几帳の向こうで困惑しきっているようだ。 源氏は亡き母・六条御息所の愛人だった男である。 さっき、母親との恋愛を「つらかった」と話したばかりではないか。 どう答えればいいのか、言葉が見つからない。 しばし沈黙が流れると、...
View Article薄雲⑮春秋の好み
第十九帖 薄雲 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 仁和寺の桜仁和寺にある法師、年寄るまで石清水を拝まざりければ~すこしのことにも先達はあらまほしき事なり 『徒然草』吉田兼好 下鴨神社の紅葉 『源氏物語』 第九帖 「葵」 第一章賀茂祭/葵祭の御禊の日、行列に参加する光源氏の晴れ姿を一目見ようと、葵の上が乗っていた牛車と六条御息所の牛車が場所取りをめぐり【車争い】が起きた。 ○ ● ○...
View Article薄雲⑯
第十九帖 薄雲 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 格子廂の周囲の柱間に設ける建具で、多くは廂ひさしと簀子すのこの間にはめられる。格子は場所によって一 枚格子と二枚格子があり、表裏ともに黒塗で その間に薄い板が挟んであるのが正式。風俗博物館 京都市 ○ ● ○ ○ ● 〇 「本当にわたしのことがお嫌いなのですね。情けを知る人は、そのような振る舞いはしないものですよ」...
View Article薄雲⑥袴着の祝
第十九帖 『薄雲』 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 二条院明石の姫君の【袴着はかまぎ】が執り行われた。左:紫の上 右:光源氏京都市【風俗博物館】 『明石の姫君の袴着』展示 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 幼い姫君の寂しげな表情を見るたびに、紫の上に仕えている女房たちは噂しあい残念におもった。...
View Article薄雲⑯禁断の恋
第十九帖 薄雲 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 光源氏31歳 紫の上23 冷泉帝13 女院/藤壺尼宮36 冷泉帝13 秋好/梅壺女御22 ○ ● ○ ○ ● 〇 「本当にわたしのことがお嫌いなのですね。情けを知る人は、そのような振る舞いはしないものですよ」 源氏はそう言いのこして、退出した。 ● 〇 動画像編集ソフト付![DellGraphic Pro] 〇 ●...
View Article薄雲⑰かがり火
第十九帖 薄雲 光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 篝火かがりび古来の照明具の一つで、主に屋外で用いる。移動するときは松明たいまつ を、固定するときは篝火を使う。 漁火いさりび夜間、魚を呼び寄せるために漁船でたく篝火...
View Article朝顔①朝顔姫宮
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 光源氏 朝顔の姫宮/朝顔斎院 式部卿宮 六条御息所桐壺院 本文中の女五の宮は桐壺院の妹、光源氏の叔母 5月15日午前10時、葵祭の御腰輿およよは『路頭の儀』として御所の建礼門を出発し、堺町御門を出て下鴨神社へ行列する。午後、下鴨神社を出発し北大路通りから賀茂街道を通り、上賀茂神社で『社頭の儀』をして終了。斎王代の行列は、葵祭の華 ○ ● ○...
View Article薄雲➈藤壺尼宮、崩御
第十九帖 薄雲光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋 几帳 きちょう 二本のT字型の柱に帳(薄絹)を下げた間仕切り。風や視線を遮るとともに装飾とした。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 源氏は思いもよらなかった藤壺尼宮の重篤の知らせに驚き、取るものも取り敢えず見舞いに訪れた。 几帳の前で泣いている女房たちに尼宮の容体をたずねた。...
View Article朝顔②女五の宮
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 寝殿造平面図朝顔姫宮と女五の宮が【西対】と【東対】にそれぞれ住んでいた。 女五の宮関連系図光源氏 女五の宮 桐壺院 大宮 桐壺院朱雀院 式部卿宮/桃園式部卿宮 ○ ● ○ ○ ● 〇 久しぶりに源氏が訪ねてくれたことが嬉しいのか、女五の宮は取るものも取り敢えず甥と対面した。 すっかり老け込んでいて、ときどき苦しそうに咳き込んでいる。...
View Article朝顔③廂の間
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 簀子すのこ竹や細い板などをすきまをあけて並べた床。水はけが必要な場所に用いる。 庇ひさし=廂ひさし=廂の間寝殿造りで母屋もやの外側に付加された細長い下屋げや部分。その外に簀子縁を設けた。 御簾みす平安時代の寝殿造りなどで、目隠しに用いた。宮殿や神殿などに用いるすだれ。 ○ ● ○ ○ ● 〇...
View Article朝顔④花の盛りは
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 朝 顔 間垣=籬 まがき竹や柴などで目を粗く編んだ垣根。 ○ ● ○ ○ ● 〇 「父の在世中のことは、今となっては、何もかも夢の中の出来事のようでございます。その夢から覚めた今、父の生前にお世話いただいたことは、これから静かに考えさせていただこうと存じております 姫宮の距離のある返答を聞いた源氏、 ○ 人知れず 神の許しを 待ちし間に...
View Article朝顔➄紫の上と姫宮
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 女五の宮・朝顔姫宮 関連系図 紫の上 光源氏 朝顔姫宮 女五の宮 ○ ● ○ ○ ● 〇 将棋の羽生善治永世七冠47とともに『国民栄誉賞』授与の候補になっている囲碁の井山裕太十段28を、ご存知ですか。...
View Article朝顔⑥悲しみ
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 紫式部紫色の実の清楚な美しさを紫式部にたとえた。11月5日の「誕生花」 花言葉は「上品」 土佐光起筆『紫式部』 石山寺所蔵藤原為時の娘。平安中期の人 天延1/973年ごろ~長和3/1014年以降?長保元/999年、藤原宣孝のぶたかと結婚。大弐三位だいにのさんみ/賢子けんしを生む。作品に、「源氏物語」・「紫式部集」・「紫式部日記」 ○ ● ○...
View Article朝顔⑦浮気の虫
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 光源氏の引っ越し①母の実家で誕生→②内裏の淑景舎/桐壺→③二条院(母里を増改築)→④六条院 /六条御息所旧邸を増築約3年間は、「須磨」それから「明石」で暮らした。 ①母桐壺更衣の実家のち③二条院 内裏だいり②淑景舎しげいしゃ/桐壺 右列の上から2つ目 ④六条院...
View Article朝顔⑧色好みの老女
第二十帖 朝顔 光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬 蓬よもぎ若葉を草餅の材料にし、葉の下面の毛から「もぐさ」をつくる。葉は、腹痛薬や吐瀉剤として利用される。ヨモギの名はときにヨモギ属の総称として使われることもある。 岸田今日子の源典侍げんのないしのすけ映画 『千年の恋 ひかる源氏物語』から 2001年知性も教養も地位もある色好みの老女。60歳頃、20歳の光源氏や頭中将と関係をもった。 ○ ●...
View ArticlePR: 早めに気づいてあげたい、認知症の初期サイン-政府広報
認知症は加齢による物忘れとは異なります。よくある症状や家族ができる10か条とは? Ads by Trend Match
View Article戌年に幸あれ 平成30年 元旦
謹んで初春のお慶びを申し上げま いま現在、『源氏物語』54帖のうちの第20帖【朝顔】。 「もう」そんなになのか、「まだ」それだけなのか。 2013年8月8日に船出しているので約4年5か月の航海。 今のペースだと、『源氏物語』読了に要する時間は単純計算で15年以上かかる。 ただ、飽きることはなさそうです。...
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