第十九帖 薄雲
光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋
光源氏31歳 紫の上23 冷泉帝13 女院/藤壺尼宮36
冷泉帝13 秋好/梅壺女御22
「本当にわたしのことがお嫌いなのですね。
情けを知る人は、そのような振る舞いはしないものですよ」
源氏はそう言いのこして、退出した。
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紫の上のいる【西の対】に戻ったが、物思いに沈んでいる源氏はすぐには部屋に入らず、縁側で横になって薄暗い庭を眺めていた。
「わたしは相変わらず無理な『禁断の恋』に熱をあげている」
過去の恋愛を振り返った。
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(例) 源氏が初めて恋したのは父・桐壺帝の妃(藤壺の宮)で、いま夢中になっている梅壺女御は息子(冷泉帝)の妃である。
千年後の平成の世のいま、世間を賑わしている政治家や芸能人の【不倫】どころの騒ぎではない。
天皇家中枢の【乱脈】を白日の下に曝すような話であることに驚く。
『源氏物語』は、文化を好む一条天皇の足を娘・彰子の部屋に向けさせるために藤原道長が紫式部に書かせた作品。
道長はともかく、一条は読むのを楽しみにしていたという。。
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「女御への想いに比べると、亡き藤壺宮との【秘め事】ははるかに危険で罪深いことであった。
もし発覚すれば、わたしと宮はいうに及ばず、冷泉帝も刑死か宮廷追放は免れなかったであろう。
幸い露見しなかったのは、若気の至りということで神仏が許してくださったのかも知れない」。
源氏、紫の上に
「あなたは春の曙がお気に入りのようですが、梅壺女御は秋の風情がお好みのようです。
時間ができれば、四季折々の木や草の花々を愛でながら管弦の催しを楽しみたいものですね。
いまは公私ともに忙しく、残念ながらその余裕はありません」
源氏はいつも大堰の里の明石の君のことを気にかけているが、『内大臣』という重い身分の今、そう気楽には出かけられない。
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