第二十帖 朝顔
光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬
光源氏 朝顔の姫宮/朝顔斎院 式部卿宮 六条御息所
桐壺院
本文中の女五の宮は桐壺院の妹、光源氏の叔母
5月15日午前10時、葵祭の御腰輿およよは『路頭の儀』として御所
の建礼門を出発し、堺町御門を出て下鴨神社へ行列する。
午後、下鴨神社を出発し北大路通りから賀茂街道を
通り、上賀茂神社で『社頭の儀』をして終了。
斎王代の行列は、葵祭の華
斎院を務めていたの朝顔の姫宮は亡き父、式部卿の宮の服喪のため【斎院】の職を退いた。
・斎院/斎王代 賀茂神社の祭神に仕えた未婚の皇女または王女
源氏には若いころから一度でも思いをよせた相手はけっして忘れない諦めないという性癖があった。
六条御息所の情の深さにいささか辟易してきたころ好きになった朝顔の姫宮はその一人である。
しかし、愛されて捨てられた御息所の噂を耳にしていた姫宮は、彼女の二の舞になることを怖れて源氏の求愛を頑なに拒んでいた。すんでいるので
そのうち【斉院】となり賀茂神社に仕えるようになって、ようやく源氏からの懸想文から解放される。
しかし、姫宮が父の服喪のために【自邸】にもどると、源氏はさっそく喪中のお見舞いにことよせて恋文を書き送った。
姫宮は、源氏のあまりのしつこさに返事を書く気にもなれない。
九月にはいって、姫宮が亡き式部卿宮の旧邸である【桃園邸】に移ったことを聞いた源氏は、【桃園邸】には叔母の女五の宮がもとから住んでいるので、叔母のお見舞にかこつけて訪ねた。
朝顔の姫宮と女五の宮は、それぞれ【桃園邸/寝殿造り】の西の対と東の対に分かれて住んでいた。
式部卿宮がなくなってまだそれほど日数はたっていないのに、邸の周辺は早くも荒廃して、もの寂しげな気配が漂っている。
久しぶりに甥の源氏が来てくれたことが嬉しかったのか、女五の宮はさっそく源氏と対面した。
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