第十九帖 薄雲
光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋
篝火かがりび
古来の照明具の一つで、主に屋外で用いる。
移動するときは松明たいまつ を、固定するときは篝火を使う。
漁火いさりび
夜間、魚を呼び寄せるために漁船でたく篝火
毛越寺の遣水における【曲水の宴】
毛越寺:岩手県西磐井郡平泉町
遣水やりみず
外から池に水を引き入れるための水路
曲水の宴きょくすいのえん
参加者が曲水に臨んで着座して、上流から
流される杯が自分の前を通り過ぎる前に詩歌を詠じ、
杯を取り上げて酒を飲み、あとで宴を開いて詩歌を披歴した。
源氏はいつも大堰の里に住む明石の君のことを気にかけてはいるが、『内大臣』という重い身分の今、そう気楽には出かけられない。
「明石の君はめったにしか会えない夫婦の仲をつまらないと思っているようだが、どうしてそのようなことがあろう。
もしそうであれば、すぐにでも『二条院』で暮らせばいいことだ」
そうはいうものの、源氏は気の毒に思い、紫の上の手前いつもそうするように、御堂での「不断念仏」にかこつけて出かけていった。
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人家のまばらな寂寥とした大堰の里は、住み馴れるにしたがってますます寂しさが募ってくる。
明石の君のように特に深い事情がない人も、長く住み続けていればきっと日ごとに悲哀が増すであろう。
それだけに、たまに源氏が姿を見せると、明石の君は、「やはり二人の宿縁は浅くはない」ということが心にしみて悲しさが増した。
源氏はどう慰めればいいのか途方に暮れる。
山里の木立の間から、いくつもの篝火が、遣水に沿って飛び交う螢の光のように見えるのは野趣めいて趣深い。
「昔、明石の水辺で暮らした体験がなければ、あのような景色はさぞかし珍しいものに思えることでしょう」
そう源氏がいうと、明石の君、
○ 漁りせし 影忘られぬ 篝火は
身の浮舟や 慕ひ来にけむ
明石の浦の漁り火を思い出させるあの篝火は、はかない浮舟のようなわたしを追ってやって来たのでしょうか
○ 浅からぬ したの思ひを 知らねばや
なほ篝火の 影は騒げる
けっして浅くはないわたしの気持ちを知らないで、水面の篝火のようにゆらゆらと心が揺れ動いているのです
いったいどなたが、わたくしに世の中をつらいものと思わせてるのでしょう。
● 〇 ● ムームードメイン ● ○ ●
森羅万象がひっそりと静かな時節なので、源氏はいつもに増して御堂での勤行にはげみ滞在が長くなった。
それで、明石の君はすこしは胸が晴れたとか。
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