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朝顔⑥悲しみ

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第二十帖 朝顔

 

光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬

 

紫式部

紫色の実の清楚な美しさを紫式部にたとえた。

11月5日の「誕生花」   花言葉は「上品」

 

土佐光起筆『紫式部』 石山寺所蔵

藤原為時の娘。

平安中期の人 天延1/973年ごろ~長和3/1014年以降?

長保元/999年、藤原宣孝のぶたかと結婚。

大弐三位だいにのさんみ/賢子けんしを生む。

作品に、「源氏物語」・「紫式部集」・「紫式部日記」

 

 

○ ● ○  ○ ● 〇

 

 

源氏朝顔姫宮への想いを知って以来、紫の上は人知れず思い悩んでいる。

 

「お見捨てになることはないとしても、幼いころから馴れ親しんできただけに軽々しく扱われるかも知れない」

 

紫の上は、あれこれと思い乱れた。

 

たいした浮気相手でなければ焼き餅のひとつも焼いてみせようが、相手が相手だけに事は深刻である。

 

しかし、紫の上としては嫉妬しているような素振りをみせることはプライドが許さない。

 

 

 

 

そのころ、源氏は宮中に泊まることが多くなっていた。

 

しかし、仕事には身が入らず手紙を書いていることが多いと聞く。

 

「世間のうわさは本当のようだわ。

それならば、ほんの一言おっしゃってくださればよいものを」

 

頼りにできる後見人はなく、源氏の愛情だけを頼りに生きてきた紫の上はつらく悲しいが、客観的状況は源氏姫宮と浮気していると考えるほかないようだ。

 

 

 

 

雪のちらつく風情のある黄昏時、ほどよく着馴れた衣装に上等の香を薫きしめて、源氏叔母の女五の宮を訪ねようとしていた。

 

その旨を紫の上に告げる。

 

女五の宮がご病気で伏せておられるので、お見舞いに伺います」

 

しかし、姫君 (源氏明石の君との娘) をあやしている紫の上は振り向きもしなかった。

 

しかも、なにか思い詰めているようで横顔が険しい。

 

  紫の上は、朝顔姫宮女五の宮が同じ邸に住んでいることを知っている

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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