二十二帖 玉鬘
光源氏.太政大臣35 紫の上27
明石の君26 夕霧中将14 玉鬘 21
光源氏と明石の君が描かれた「絵馬」
【明石観光協会】
紫の上は、明石の君を恋のライバル視している。
「光君は明石の君にどんな装束を選ばれるか」
気になって仕方がない。
花散里には薄藍色に紅を添えたもの、玉鬘へは紅に山吹の花をあしらった意匠の装束を選んだ。
源氏が取り分けた織物を女房がそれぞれの貴婦人の『衣箱』に収めてゆく。
その様子を眺めながら、装束の染色などに詳しい紫の上は、
「装束自体に優劣はないようですから、お召しになる方の容姿にふさわしい意匠を選んでくださいませね。
どんなに美しい方でも、お召し物が似合わないと見苦しいものです」
「いやいや、女君たちの容姿と装束がしっくり来ないこともあります」
源氏は、あらかじめ予防線を張った。
紫の上が特に気にしているで明石の君よりも先に、【二条東院】に住んでいるふたりの女君のために装束を選ぶつもりだからである。
まず、没落している宮家出身の末摘花すえつむはなから。
象のような鼻をぶら下げた短足の醜女しこめである。
源氏は、末摘花に柳と唐草模様をあしらった味わいはあるが地味な色調の装束を選んだ。
それでも、末摘花に、せめてこの織物くらいの艶っぽさは欲しいものだと苦笑せざるを得なかった。
次に、いつの間にか出家して尼になっていた空蝉うつせみには、尼僧にふさわしい青鈍あおにび・(濃いねずみ色)の織物を贈った。
ちなみに、長いあいだ物語の展開から外れていた二人が、どういう経緯で【二条東院】で暮らすようになったかの説明はない。
最後は、紫の上がもっとも気にしている明石の君。
源氏がどんな意匠の装束を、明石の君のために選ぶか。
それによって、紫の上は明石の君の「格」と源氏の彼女への「愛情」を知ろうとしている。
源氏は、白と紫に分けて染めた織物にあざやかな色合いの花と鳥と凛とした梅を描いた装束を選んだ。
「明石の君は、やはり高貴な紫色の装束をまとうにたる立派な貴婦人なのであろう」
紫の上の気持ちがややざわついた。
『源氏物語』は当時の最高権力者、
藤原道長のバックアップによって成立しています。
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森友問題のスクープを連発して、
不本意な『考査部門に「左遷」された
NHK大阪放送局の相澤冬樹記者は、
記者を続けたいとNHKを退職しています。
NHKは安倍政権にへつらって、記者を守らなかった。
すなわち、国民の受信料で成り立っているNHKの
実態は、「皆様のNHK」でなく「安倍様のNHK」なのです。
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今年の「中秋の名月」は9月24日
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