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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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いにしえに迷う⑤西の京

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唐招提寺

奈良市五条町にある律宗総本山。

本尊は、盧舎那仏るしゃなぶつ

 

756(天平勝宝8)年、聖武孝謙両上皇の勅願により

来朝した唐僧・鑑真和上がんじんわじょうが建立した。

 

『金堂』、『講堂』、『経蔵・宝蔵』は奈良時代、『鼓楼』は

鎌倉時代の建物で、各々何度か修補を経ているが、

創建当初の姿よく伝え、国宝に指定されている。

世界遺産

 

 

 

 


あまり広くない境内の菩提樹の下に、古色蒼然とした

 

会津八一の歌碑が建っている。



   〇 ちかづきて  あふぎみれども  みほとけの
              
        みそなはすとも  あらぬさびしさ

 

近づいて仰ぎ見ても、御仏は自分を見ておられないようで寂しい

 

 


その日は、朝まだき、萩の寺をたち、悲運大津皇子眠る、

 

また数多くの和歌や伝説に詠まれてきた二上山に赴いた。

 


それから、山の中腹にある『中将姫伝説』の当麻曼荼羅

 

たいままんだらで名高い当麻寺の諸仏を仰ぎ、帰りしな、

 

『西の京』に立ち寄った。

 

西の京 

 

奈良市の西部、かつての平城京の右京にあたる。

 

近鉄橿原線の、『西ノ京駅』付近に薬師寺や唐招提寺などがある。

 

 

 

 


千古の松林の中に、盲目の鑑真和上とともに静かに息づいて

 

きた『唐招提寺』。

 


その、いにしえの余香しみわたる伽藍の清らかなたたずまいと、

 

境内に敷きつめられた白砂を踏みしめる時の、生命を洗われる

 

ような感触に心をひかれ、大和地方を訪れるたびに一度は門を

 

くぐるのである。

 

 

 

 

 

それから例のごとく、荒廃した『歴史の道』を南に、

 

天武帝勅願の『薬師寺』へ足をのばす。

 


途中で夕食をとり、完成直後の新金堂で白鳳の傑作、

 

『阿弥陀如来像』と『日光菩薩像』、『月光菩薩像』を見上げたのは、

 

すでに堂塔が深い闇に閉ざされようとする時分であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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