唐招提寺
奈良市五条町にある律宗総本山。
本尊は、盧舎那仏るしゃなぶつ
756(天平勝宝8)年、聖武・孝謙両上皇の勅願により
来朝した唐僧・鑑真和上がんじんわじょうが建立した。
『金堂』、『講堂』、『経蔵・宝蔵』は奈良時代、『鼓楼』は
鎌倉時代の建物で、各々何度か修補を経ているが、
創建当初の姿をよく伝え、国宝に指定されている。
世界遺産
あまり広くない境内の菩提樹の下に、古色蒼然とした
会津八一の歌碑が建っている。
〇 ちかづきて あふぎみれども みほとけの
みそなはすとも あらぬさびしさ
近づいて仰ぎ見ても、御仏は自分を見ておられないようで寂しい
その日は、朝まだき、萩の寺をたち、悲運の大津皇子眠る、
また数多くの和歌や伝説に詠まれてきた二上山に赴いた。
それから、山の中腹にある『中将姫伝説』の当麻曼荼羅
たいままんだらで名高い当麻寺の諸仏を仰ぎ、帰りしな、
『西の京』に立ち寄った。
西の京
奈良市の西部、かつての平城京の右京にあたる。
近鉄橿原線の、『西ノ京駅』付近に薬師寺や唐招提寺などがある。
千古の松林の中に、盲目の鑑真和上とともに静かに息づいて
きた『唐招提寺』。
その、いにしえの余香しみわたる伽藍の清らかなたたずまいと、
境内に敷きつめられた白砂を踏みしめる時の、生命を洗われる
ような感触に心をひかれ、大和地方を訪れるたびに一度は門を
くぐるのである。
それから例のごとく、荒廃した『歴史の道』を南に、
天武帝勅願の『薬師寺』へ足をのばす。
途中で夕食をとり、完成直後の新金堂で白鳳の傑作、
『阿弥陀如来像』と『日光菩薩像』、『月光菩薩像』を見上げたのは、
すでに堂塔が深い闇に閉ざされようとする時分であった。
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