第二十二帖 玉鬘
光源氏.太政大臣 35歳4月~10月
玉鬘 21 筑紫時代
光源氏 夕顔 頭中将 明石の君
玉鬘たまかづら 六条御息所
映画 『源氏物語 千年の謎』
夕顔/芦名 星に襲いかかる 六条御息所/田中麗奈の生霊。
死者の霊は「死霊」、
生者の霊魂が肉体を離れて飛び回る霊は「生霊」。
玉鬘は、頭中将(当時)と夕顔の遺児
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廃墟のような邸で、源氏と同衾していた夕顔が嫉妬に狂った六条御息所にとり殺されてからもうずいぶん長い年月が経った。
しかし、源氏の心の中にはまだ夕顔は生きている。
時々思い出しては、月を仰いで涙を流すことがある。
頭中将(当時)の妻の一人であった夕顔に、乳母子の右近という女房が仕えていた。
夕顔が殺された現場近くにいた右近を、源氏は夕顔の形見として『二条院』に引きとり、自分の女房にした。
そして、夕顔の死の顛末をけっして口外しないよう口止めする。
須磨へ落ちるとき、源氏は女房たち全員を紫の上に預けた。
右近は、源氏の帰京後もそのまま紫の上に仕えていた。
今も、紫の上の女房として『六条院』の「春の町」で暮らしている。
「夕顔さまがご存命であれば、明石の君に劣らぬご寵愛を受けられたでしょうに。
紫の上や秋好中宮のような高貴な方々には及ばないにしても、『六条院』にはきっと招かれたことでしょう」
そう思うと、右近はますます「生霊」に襲われるという無残な死に方をした夕顔が気の毒でならなかった。
『西の京』の乳母の家で育てられているはずの夕顔の忘れ形見、玉鬘が行方不明になっていた。
父親の頭中将に尋ねようかとも思ったが、そうすればきっと夕顔のことを聞かれるであろう。
源氏に、「夕顔の死を口外してはならない」と固く口止めされている。
また、北の方の手前、頭中将を困らせるだけだと考え直した。
夕顔の『五条』の家の人々とも、手紙のやり取りさえできない。
一方、夕顔の頓死を知る由もない乳母は、行方が分からなくなった夕顔を捜したが、何の手がかりも得られなかった。
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絶望名言
「人生」の長い旅をゆくとき、
よくぶつかる二つの大きな難関がある。
第一は、「分かれ道」。
第二は、「行きどまり」である。
魯迅
中国の文学者、思想家 1881~1936年
1902年日本に留学、医学を志すが文学に目覚める。
帰国後、1918年に短編小説『狂人日記』で作家として出発。
以後、『阿Q正伝』をはじめ,多くの小説、随筆、評論を発表した。
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