猿楽 (金春座)
平家打倒のはかりごとを終えた酒宴の席のこと。
酔っぱらった成親が立ちあがったはずみで、後白河法皇の前に置いてあった瓶子(へいし、へいじ 酒徳利)を、袖に引っ掛けて倒してしまった。
後白河法皇が、「これは、一体どうしたことだ」と問うと、
成親は、「瓶子(平氏)が倒れました」。
法皇が、成親の当意即妙のシャレに気をよくして、「みなの者、猿楽(さるがく こっけいな物まねや言葉芸)をやろう」。
芸達者の平康頼が、「あまりの瓶子(平氏)の多さに酔っぱらってしまいました」というと、
俊寛が、「どうしたらよろしいかな」と尋ねる。
すると西光が二人のやりとりをひきとって、「首を取ればよろしかろう」。
瓶子(酒徳利)の首を、もぎ取ってしまった。
あまりの浅ましさに、その場に居合わせた静賢法印(平治の乱で殺された信西の子)は、呆れてものがいえなかった。
こんな体たらくの陰謀家たちに平家を倒せるはずがないとみた多田行綱は、清盛の西八条邸にひそかに赴いて鹿ケ谷の謀議を密告する。
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平家物語の群像 鹿ヶ谷の陰謀③謀議のあとの酒宴
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