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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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朝顔⑯身分意識

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第二十帖 朝顔

 

光源氏の内大臣時代 32歳 九月~冬

 

 

遣り水

寝殿造りの庭園などで、外から水を引き入れて設えた流れ

 

 

 

光源氏   紫の上   朧月夜   明石の君

朝顔姫宮  花散里   藤壺宮/女院

 

若い日の光源氏は、朧月夜

同衾している現場を彼女の父・右大臣

目撃され、罰せられる前に自ら「須磨」へ下った。

 

 

○ ● 〇    ○ ● 〇

 

 

朧月夜君はとても聡明で教養の深い方と伺っております。

軽率なお振る舞いとは無縁のお人柄なのに、どうしてあのような不可思議なことが起きたのでしょう」

 

「そうです、聡明な美しいです。

今更ながら、お気の毒なことをしたと悔やまれます。

 

浮気性のは、年を重ねるにつれて後悔することばかり。

おとなしいさえ、そうなのですから」


源氏朧月夜のために涙した。

 

 

源氏はまた、


あなたが蔑んでいらっしゃる明石君は、身分に似合わず物の道理をわきまえています。

ただ他の方とは同列に扱えないので、気位を高くもっているようですが、私は意に介しておりません。

 

    ※当時が『身分社会』であったことが分かる

 

 

それにしても、まったく取り柄のない、人並み優れたも滅多にいません。



東の院で寂しく暮らしている花散里は、昔のままに可憐な人柄です。

気立ての良さが気に入って世話をするようになったのですが、慎ましく控え目な態度は今もかわりません。

今ではもう、互いに別れられそうもなく心から愛しいと思っています

昔話や今の話などを語っているうちに、夜が更けていった。

 

 

 

月が静かに美しく冴えわたっている。

 

紫の上

 

○  氷閉ぢ   石間の水は   行きなやみ


        空澄む月の   影ぞ流るる

 

氷に閉じこめられた石の間の遣水は流れかねていますが
  空に澄む月影はとどこおりなく西へ流れています

わずかに首をかしげて空を眺めながら歌を詠んでいる紫の上は、並ぶ者がないほど可愛らしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望名言

  ダメな男と言うものは幸福を受け取るに当たってさえ、

へたくそを極めるものである。
弱虫は幸福をさえ恐れるものです。
綿でけがをするんです。
幸福に傷つけられることもあるんです。

太宰治

 

 

 

「僕は太宰さんの文学は嫌いなんです」
その瞬間、氏はふっと私の顔を見つめ、軽く身を引き、虚をつかれたような表情をした。

しかしたちまち体を崩すと、半ば亀井氏のほうへ向いて、誰へ言うともなく、
「そんなことを言ったって、こうして来てるんだから、やっぱり好きなんだよな。なあ、やっぱり好きなんだ」

                      三島由紀夫『私の遍歴時代』より

 

 

 

 

 

 

 


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