教盛に追われ八艘飛びの義経
日本神話にしてもギリシャ・ローマ神話にしても、神々の名前とそれぞれの関係性、あるいは地名などの固有名詞を覚えるのは大変である。
長ったらしいうえに意味のありそうにもない名称の場合、うんざりして匙を投げたくなる。
というより、自分の記憶力に失望して何度投げたことやら。
だが、ある程度の知識がないと、読んだり見たりするときに少しも面白くないのも事実である。
神話や伝説に比べれば、平家物語の主要な登場人物と人物相互の関係、地名や官位などを記憶するのは楽だろう。
平清盛の5人の弟たちを並べてみる。
○次男 家盛
忠盛と正室・藤原宗子(池禅尼…清盛に源頼朝の助命を嘆願)の長男。
鳥羽法皇の熊野詣に随行した帰途、26歳で病死。
○三男 経盛(つねもり 敦盛の父)
母は、源信雅の娘。保元元年に安芸守。常陸、伊賀、若狭の国守を歴任。壇ノ浦の戦いでは重鎮として奮戦し、弟の教盛と手を取り合って入水。
詩歌・管弦に長じ、歌集『経盛集』がある。
○四男 教盛(のりもり)
母は、藤原家隆の娘。叔父の平時忠と憲仁親王(高倉天皇)の立太子を謀って解官。高倉が即位すると正三位、蔵人頭、参議、権中納言、中納言。
源義経に壇ノ浦で八艘飛びをさせた剛の者。
○五男 頼盛(よりもり 池大納言)
母は、池禅尼。清盛と反目。源義仲入京阻止のため、宗盛より山科へ向うよう命を受けるが断る。平家滅亡後、母の恩に報いた頼朝により厚遇。
文治元年、病のため東大寺で出家、法名は重蓮。
○六男 忠度(ただのり 薩摩守)
母は、藤原為忠の娘。熊野で生れ育ったとも。都落ちの際、和歌の師・藤原俊成に歌を託したという話は有名。一ノ谷の戦いで、岡部忠澄に討たれた。
家集『忠度集』があるほか、『千載集』『新勅撰集』に採録。
平忠盛が多情だったのか当時は普通のことだったのか。
次男の家盛と五男の頼盛だけが同腹(池禅尼)で、他の兄弟はみんなそれぞれ母親が異なる。
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