桐壺帝の御前で唐楽『青海波せいがいは』を舞う、光源氏(左)と頭中将(右) 。
ふたりは、舞いに限らずあらゆる分野でライバルだった。
ーーという設定だが、頭中将は気の毒なことにいつも光源氏の引き立て役でしかない。
明石入道に案内されて、明石の君の館へ向かう光源氏。
藤壷女御→藤壺中宮→藤壺尼宮→藤壺准太上天皇
光源氏の「永遠の女性」 (5歳年長) 風俗博物館/京都市。
冷泉帝は、夫・桐壺帝ではなく光源氏とのあいだの不義の子。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
女院/藤壺尼宮は、9歳も年上の新しい妃を迎えることになったと聞いて、いつになく緊張している冷泉帝に言葉をかけた。
「立派なおとなの妃が入内なさいます。
気持ちをしっかり引き締めて、お会いしなさい」
まだ13歳の息子が22歳の成人女性を妃に迎えるが、はたして大丈夫だろうか気後れしないだろうかと心配なのだ。
今でいえば、小学生の男の子に女子大生が嫁ぐようなものである。
帝はいままで第一夫人で1つ年上の弘徽殿女御と子供らしい遊びに興じていた。
弘徽殿女御の父は、若い時から源氏のライバルだった権中納言/頭中将(以後、こちらで表記)である。
源氏と頭中将は、学問や音楽や和歌そして舞いや恋愛などすべてにわたって好敵手であった。
これからは、政治家同士として熾烈な競争相手になる。
競争といっても、私たちか見慣れた選挙運動ではない。
どちらの娘(源氏の場合は養女)が帝の寵愛をえて皇子を産むか、という争いである。
源氏にも明石の君とのあいだに実の娘がいるが、まだ幼すぎる。
二人に限らず、大納言クラス以上の家では、性格がよく容姿も端麗な娘にはとりわけ詩歌管弦などの趣味教養を身につけさせた。
こうして育てた自慢の娘たちは、「実家の盛衰」を背負って入内したのである。
しかし、親はすべてを娘任せにしていたわけではない。
帝の足を娘の部屋に向けさせるため、色々と工夫を凝らした。
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