荒廃した常陸宮邸に末摘花を訪ねる光源氏(左)
惟光が「馬の鞭」で草むらの露を払っている。
白鵬の露払い(先導役)を務める魁聖。太刀持ち(警護役)は旭天鵬。
唐櫃からびつ
京都・豊国神社宝物館所蔵 経巻や衣服などを収めた。
公家の平常服
立烏帽子 たてえぼし
頭部の峰を高く立てたままにして折り曲げない
・烏帽子 烏色のかぶりもの。
檜扇 ひおうぎ ヒノキの薄板20〜30枚をつづり合わせた板扇
直衣 のうし 皇族や公卿(上流貴族)の平常服
指貫 さしぬき 裾を締めて括れるように紐を通した袴
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「こんなに蓬の生い茂った邸で、姫宮はどんな気持ちでお過ごしになっておられるのやら。
もっと早く、お訪ねするべきであった」
「草むらが露にびっしょり濡れております。わたしが馬の鞭をもって露払いを務めましょう」
源氏が牛車から下りると、惟光が馬の鞭をふって源氏の足元の草葉の露を払いながら先導した。
雨の雫が、秋の時雨のように降りかかる。
指貫の裾は、びしょ濡れになった。
以前もほとんど原形をとどめていなかった中門は、跡形もない。
末摘花は何年ものあいだ首を長くして待ちつづけた源氏の訪れが飛び上がるほどに嬉しかった。
だが、それ以上に恥ずかしいのか、源氏の来訪を告げられてもモジモジするばかりでいっかな動こうとしない。
もちろん内気な性格によるところが大きいが、それだけではなかった。
源氏と対面するとき身につける衣服の持ち合わせがないのだ。
形が崩れたり、色が褪せたりしている着物ばかりである。
そのとき、老女房が思い出した。
「叔母上(太宰大弐の妻)にいただいた「お召し物」がございます」
父と母が他界して以来、不愉快なことばかりを口にする叔母が大嫌いだったので、末摘花は見向きもしなかったが、女房たちがちゃんと唐櫃に入れておいたのだ。
よれよれになった御簾ごしに末摘花と対面して、源氏、
「ご無沙汰いたしております。
須磨や明石でも、姫宮はどうしておられれるだろうかといつも心にかけておりました。
つい先ほど、見覚えのある松に藤の花が咲き掛かっているのを見て、通り過ぎることもできず、立ち寄ろうと思った次第でございます」
昔もたびたびそうであったように、返事がない。
新源氏物語 (上) (新潮文庫)/新潮社
¥ 767
Amazon.co.jp
平安京と貴族の住まい/京都大学学術出版会
¥ 4,536
Amazon.co.jp
- 光源氏の一生 (講談社現代新書)/講談社
- ¥821
- Amazon.co.jp
DVD付き ひとりで美しく着られる 着付けと帯結び/ナツメ社
¥ 1,706
Amazon.co.jp
すっとぼけた小嶋陽菜、いいなぁー。
後輩たち、「小嶋さん、(ご自分の卒業コンサート中に) どこ行くんですか」
小嶋陽菜、「時間がないの。今から ちょっと ミラノ行ってくる~」
文藝春秋 2017年 03 月号 [雑誌]/文藝春秋
¥970
Amazon.co.jp
『安倍昭恵「家庭内野党」の真実』なる興味深い記事があります。
こちらもかなり神がかり的な昭恵夫人によると、
晋三さんは就寝前に【祝詞】を唱えるそうです