源氏はおよそ3年ぶりの帰京後、宮廷の用事などで忙しく、かつて通っていた女君たちのことを思い出すことはほとんどなかった。女車/女房車
普賢ふげん菩薩像
「法華八講ほっけはっこう」の本尊 風俗博物館 京都市 「蓬生」の帖 関連系図
光源氏は帰京後はじめて花散里を訪ねてゆく途中、見覚えのある廃墟のような邸を見かけた。
惟光を確かめに行かせると、やはり『常陸宮邸』である。
そこには、光源氏を信じて待っていた健気な末摘花がいた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
気は利かないが真面目な末摘花を大宰府に連れ出して、自分の娘たちの女房にして仕えさせるという魂胆である。
しかし、たびたび手紙を書いて誘ってみたが、乗ってくる気配はなかった。
叔母はしびれを切らして、ある日、豪華な牛車を連ねて常陸宮邸に出かける。
そして、言葉巧みに大宰府行きを勧めたが、末摘花はまったく取り合わなかった。
「まあ、憎らしいこと。
お高くとまっていても、こんなに崩れ落ちたあばら家に住んでいる女を源氏の君が心にかけてくださるものですか。
それに、今は忍び歩きをすることはなく、紫の上一筋と聞いていますよ」
叔母は、憎まれ口を叩きながら帰っていった。
末摘花は叔母のたくらみを撃退することはできたが、思いも寄らない衝撃的なことが起きた。
子供のころから信頼していた乳母子の侍従が、なんと叔母たちとともに遠い筑紫の大宰府へ下っていったのである。
日々の暮らしのほとんど全てを侍従に頼り切っていた末摘花は悲しみに沈み、明日からの生活を思うと不安に打ちひしがれた。
あとで聞いたところによると、侍従はかなり以前から大宰大弐の甥おいと深い仲になっていたらしい。
雪の降りつづく真冬のある日、源氏は故桐壺院の追善供養のために「法華八講」を盛大に催した。
研鑽をつんだ徳の高い僧ばかりを招いたなかに、末摘花の兄の禅師の君の姿があった。
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