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平安女性貴族が身にまとった衣装の名称
御簾 みす
宮殿や寺社で用いる簾/すだれ
内裏だいり 皇居
帝の居住部分と、北半分の女御や更衣が住む「後宮」からなる。
・入内じゅだい 女御(父親が大臣以上の娘)か更衣(大納言の娘)として内裏の「後宮」に入ること。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「生前の御息所が、わたしのことで前斎宮の行く末を心配しておられたが、世間でも同じように想像しているに違いない。
そうした懸念を払拭するためにも、わたしが後見人となって近いうちに入内していただこう」
源氏はたびたび心のこもった便りをだし、時には六条の邸に足を運んだ。
「亡き母上に縁の者とお思いになって、何か困ったことがあればいつでも遠慮なく申し付けてください」
源氏がやさしく御簾越しに話しかけても、なんの返答もない。
前斎宮はたいそう内気な人柄で、初対面の人には声を聞かれることも恥ずかしい性分なのだそうだ。
どう対処すればいいのか、女房たちも困っている。
源氏は自分が後ろ盾となって、前斎宮を入内させることに決めていた。
亡き六条御息所がもっとも喜び、安心することである。
しかも源氏が後見人だから、帝が気に入れば、「中宮/皇后」にもなれる「女御」として入内することになる。
しかし、源氏は先日、ほの暗い部屋で御息所に付き添っている前斎宮をぼんやりと見かけただけで、容姿や教養のレベルなどをくわしく知っているわけではない。
ただ、想像するに二つの根拠がある。
才色兼備の誉れ高かった御息所の娘であるということと、前斎宮の伊勢下向の儀式に際して、兄の朱雀院が一目惚れしたということだ。
「後宮に入っても、よもやほかの妃たちに劣るようなことはあるまい。
それにしても一度は明るい所で、顔を見ておきたいものだ」
ある日、源氏が女房たちを集めて戒める。
「乳母といえど、勝手に男を前斎宮の部屋に案内してはならぬ」
当時、深窓の姫君のために釣り合いのとれた立派なお婿さんを探すことは女房たちの大切な務めであった。
それもあってか、前斎宮に色めいた事はまったくなかった。
朱雀院は、大極殿における「伊勢下向の儀式」のときに見た前斎宮の不吉なまでの美貌を忘れられず、亡き御息所に申し入れていた。
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安倍総理の外交努力で、いよいよ「北方四島」の返還が実現する。あるいは、まず「歯舞・色丹の二島」が返ってくる。
そして、その余勢をかって来年一月に「選挙」を打つ。
ほんのひと月前に交わされていた論調と期待感が、
今や風前の灯火。安倍党の目論見は無残に潰え