太政官制
トップの「太政大臣」(江戸期における大老に相当)と、「内大臣」は常設ではない。
大臣の娘は「女御」、大納言の娘は「更衣」として入内する。
更衣は、「中宮/皇后」にはなれない。
源氏一行の住吉詣
住吉大社本殿 大阪市
「住吉の神」は、イザナギノミコトが黄泉の国から戻って、禊祓(ミソギハラエ)をしたとき、海の中から現れた。
『住吉大社の歴史』によると、211年、神功皇后により「住吉大神」が鎮祭された。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
その年の秋、源氏は「願ほどき」のため住吉大社に参詣した。
願ほどき 神仏に、祈願がかなったお礼参りをすること
上達部や殿上人らが我もわれもとお供を申し出て、まれに見る盛大かつ華麗な行列になった。
上達部 (かんだちめ) 公卿のこと
公 摂政・関白・太政大臣・左大臣・右大臣・内大臣
卿 大納言・中納言・参議・従三位以上の非参議
殿上人 (てんじょうびと)
官職が三位以上、または四・五位のうちで昇殿を許された者
噂がうわさを呼んで、沿道には、源氏を一目見ようと大勢の老若男女が押し寄せて騒ぎ立てている。
ちょうどその時、明石の君も春と秋の恒例にしている住吉詣にやって来るところだった。
出産や育児で何度か参詣できなかったので、そのお詫びも兼ねて思い立ったのである。
明石から、舟でやって来た。
波打ち際に向かって舟を漕いでいると、大勢の人々が渚にひしめいて動き回っているのが見えた。
住吉大社の参詣人たちのようで、貴重な奉納品を捧げもっている。
容姿にすぐれた楽人が十人ほど、きらびやかな衣装を身に着けて整然と並んでいる。
「どなたが、参詣なさっておられるのですか」
明石の君 の供の者が、浜辺に向かって大声でたずねると、
「源氏の君が願ほどきに参詣されていることを、ご存知ない方がおられるのですか」
身分の低そうな男が、あきれ顔で得意そうに笑った。
思いもしなかったことを聞いて、明石の君は心の中でつぶやく。
「まさか、源氏の君が参詣される日と重なるなんて。いくらでも他の日があったでしょうに。
豪華絢爛とした御一行のご威勢を目の当たりにすると、自分の身の程があらためて情なくなるわ」
思えば、明石の君は、明石で侘び暮らしをしていたころの源氏しか知らない。
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住吉大社/學生社
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被災者の皆さんの移住先は岡山がダントツ一位