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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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澪標⑪世の移ろい

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紫の上と源氏 
紫の上光源氏  風俗博物館/京都市

紫 
吉永小百合の紫式部  &  常盤貴子の紫の上
映画『千年の恋 ひかる源氏物語』から

内裏 内裏(だいり)
清涼殿(せいりょうでん)  の日常生活の場所  
承香殿(しょうきょうでん)

淑景舎(しげいしゃ/桐壺)  ・昭陽舎(しょうようしゃ/梨壺)

  ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇ 

そんな彼女たちの世間話が、思わぬ副産物を生んだ。

源氏との身分違いを意識して卑屈になっていた明石の君に、女としての自信を持たせたのである。


都中の人々から敬愛されている源氏の君がこの上なく大切に思ってくださる姫君を産んだわたしって、大したものだわ」

よく分からない「女心」だが、おそらく、子宝に恵まれない紫の上と対比してのことだろう。

紫の上源氏「最愛の妻」としての地位は終生ゆるがないが、客観的状況はしだいに哀しみの色が濃くなってゆく。

ちなみに、源氏とふかく関わりのあった女性はその多くが出家する。

理由はそれぞれだが、『平家物語』の女性たちが、「来世を信じて、極楽浄土に憧れて」出家したのとは違う。


朱雀院は退位後に気楽な立場になると、四季折々につけ、日がな一日、風雅な詩歌管弦の遊びに興じている。

在位期間中、「内裏」で仕えていた女御更衣たちはそのまま「院の御所」に移っていた。

ただ、東宮(系図では今上帝)の母である承香殿女は、朱雀帝(当時)にとり立てて寵愛されることもなかったので、
「院の御所」には移らず「内裏」に残って東宮に付きっきりで世話をしている。 

先代の故桐壺帝源氏の母・桐壺更衣を溺愛したように、朱雀院は、源氏を愛していることを知りながら朧月夜を偏愛した。



源氏の宿直所は、幼少のころから馴染んでいる「淑景舎」である。

・宿直所(とのいどころ)  宮中で官吏が宿直する所
・淑景舎(しげいしゃ)  庭に桐を植えてあったので通称「桐壺
 女御や更衣の住居。清涼殿から最も遠い東北隅にある
 源氏は四歳の頃から、父の計らいで桐壺で暮らした

東宮は南隣の「梨壷」にいるので、源氏はたびたび足を運んで相談にあずかった。



藤壺尼宮は出家後しばらく右大臣一派に遠慮して参内しなかったが、時代の風向きが変わって「准太上天皇」になると気ままに内裏に出入りするようになり息子の冷泉帝と面会した。



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