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関心がないと、面白くもおかしくもない無味乾燥な登場人物の系図(一部)です。
興味津々だと、眺めているうちに光源氏とヒロインたちが織り成した悲喜こもごもの恋愛模様が絵巻物のように脳裏に浮かんできます。
紫式部『源氏物語』vs『枕草子』清少納言
清少納言(966?~1025?)と紫式部(978~1016)は、宮仕えの時期が重なっていたのかどうかは不明。
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一級の文化人である一条天皇は、定子や清少納言らが形成している『文化サロン』に入り浸っていた。
「天皇の外祖父」となって天下の覇権を握りたい道長は、一条の足を彰子の部屋に向けさせなければならない。
そこで、紫式部に『源氏物語』の執筆を依頼、膨大な量の紙や筆や墨などにとどまらず全面的にバックアップした。
藤原道隆亡きあと、弟の道長と息子の伊周(これちか)・隆家兄弟とのあいだで骨肉相食む権力闘争が勃発する。
ワクワクしてきた方は、ぜひ『大鏡』をご一読ください。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
山と積まれた豪華な荷物の中に、赤ん坊に必要な実用的な品々もたくさんあった。
明石の入道は、源氏が娘や孫娘のことを気にかけていることを知ると、そのたびに他愛なく感激の涙をながす。
「自分がもともと属していた上流社会にひとり娘を嫁がせたい」という年来の願いが達成されようとしている喜びも大きいのだろう。
入道自身ももちろん、財力にまかせて孫娘の「五十日の祝」のために盛大に祝いの品々を用意していた。
しかし、もし源氏からの華やかで洗練された贈り物がなかったならば、あたかも、「闇の夜の錦」のように地味で見栄えのしないものになっていたに違いない。
乳母は明石の君の人柄の良さもあって、明石での暮らしがさほど辛いものでなかった。
また、ほどなく、源氏が赤ん坊の世話をしてくれる旧知の女房たちを数名つけてくれた。
乳母 生母に代り、子ども(主人)に乳を飲ませ、養育する女性
子どもの監督者のような立場にもあり、一般の女房とは別格
女子の乳母は、その子の婚家に同行するなど生涯付き添う
時代ははるかに下るが、徳川家光の乳母である春日局が有名
女房 宮中や貴族の家に仕えた女性
乳母と女房たちは、ヒマさえあれば世間話に興じた。
やはり話題はなつかしい都のことであり、その中心は源氏であった。
「源氏の君がいかに容姿端麗で、男の魅力にあふれているか。
都の人々にどれだけ慕われ、かつ尊敬されているか」
源氏の素晴らしさがまるで自分の誇りであるかのように、彼女たちは同じところをぐるぐる回りながら長話にいそしんだ。
そんな彼女たちの世間話が思わぬ副産物を生んだ。
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【船上劇場】とはなかなか洒落ている