岡辺の館跡 神戸・西区
先般、雨まじりの暴風が吹き荒れたとき以来、入道の娘らは高潮を恐れて「浜辺の館」から「岡辺の館」に移り住んでいる
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52代 嵯峨天皇 在位809-823年
平城上皇が藤原仲成や藤原薬子にそそのかされて復位を企て、「薬子の変」を起こしたが鎮圧した
蔵人所(くろうどどころ)や検非違使(けびいし)などを設けて律令制を補強した
60代 醍醐天皇 在位897-930年 桐壺帝のモデルか
『源氏物語』は、醍醐時代を措定しているとされる
藤原時平の讒言を入れ、父/宇多天皇が寵愛した菅原道真を大宰府に左遷した(昌泰の変)
治世は34年にわたり、「延喜の治」といわれる
紀貫之らに『古今和歌集 』を撰進させた
道真の祟りと言われた清涼殿落雷が起こり3ヵ月後に病死
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
明石入道は「琵琶」を手にすると、文字どおり琵琶法師となって抒情的な曲を弾きはじめた。
なかなかの腕前である。
弾き終わると、源氏に「箏の琴」を弾くようにすすめた。
源氏が「箏の琴」をほんの少し奏でると、入道は感心することしきり。
「源氏の君は、実にさまざまな楽器に通じておられます」
「『箏の琴』は、女がくつろいだ風情で弾いているのが似合いますね」
源氏が何気なく口にすると、入道はなぜか微笑んで、
「源氏の君よりも優美に弾かれる方は、どちらにおられましょうか。
私は、延喜帝(醍醐天皇)のご奏法を弾き伝えること四代目でございます。
出家した今でも、ひどく気が滅入った時は「箏の琴」を掻き鳴らすことがございますが、それを見よう見真似で娘が弾いておりました。
親の私が申し上げるのもなんですが、延喜帝のご奏法に似ているのです。
是非とも一度、源氏の君にお聞き願いたいものです」
入道は感情が高ぶっているのか、声が震え涙ぐんでいる。
源氏、
「本物の名人上手の前で、恥ずかしいことでした」
「箏の琴」を、入道のほうに押しやりながら、
「不思議なことに、昔から『箏の琴』は女が身に付けるものでした。
嵯峨帝のご伝授で、女五の宮がその当時の名人でしたが、その系統を今に伝える者はおりません。
いまの名人といわれる人々の奏法は、ただの自己満足に過ぎません。
こちらで秘かに古来の奏法を伝えておられるとは、実に興味深いものです。
ぜひとも、聴いてみたい」
「いつでも娘をお呼びください。何の支障もございません」
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明石⑫箏の琴
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