東京国立博物館所蔵
六条御息所(ろくじょうみやすどころ)
元東宮妃で、すべてに恵まれた才色兼備の貴婦人。
主要な女君たちのなかで最年長。光源氏より7歳年上。
激しい嫉妬に駆られて生霊(いきりょう)と化し、ふたりの女(源氏の正妻・葵の上&愛人の夕顔)を取り殺した。
今は、娘の斎宮(伊勢神宮に巫女として仕えた未婚の内親王)に同行して伊勢に下っている。
映画『源氏物語 千年の謎』から
夕顔(芦名 星)に襲いかかる六条御息所(田中麗奈)の生霊。
生霊 死者の霊を「死霊」というのに対して、生きている人の霊魂が肉体を離れて飛び回るものを「生霊」という。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
いつものことながら、言葉の選び方や用い方がとても巧みで、筆跡は優美、文章は流麗、教養の深さが滲みでている。
「光君が須磨あたりで侘しくお暮らしになられているとお聞きしましても、にわかには信じることなど出来ません。
明けやらぬ闇夜に見る悪夢のようでございます。
それでも、そう遠くない日に、光君は都にお戻りになられることと拝察いたします。
罪深いこの身は、いつの日か、光君にふたたびお目にかかることが叶いましょうや」
六条御息所からの返歌、
〇 うきめ刈る 伊勢をのあまを 思いやれ
もしほたるてふ 須磨の浦にて
いつも涙に暮れているといわれる須磨の浦から、伊勢の地でつらく寂しい傷心の日々を送っている海女(わたし)を思いやって下さいませ
手紙は、しみじみとした心持ちで数行書いては筆を置き、また数行書いては筆を置きして連綿と綴ってある。
白い唐紙を4、5枚ほど継ぎ足してあるが、墨の濃淡の具合なども見事なもの。
「もともと敬慕していた方だったが、あの件以来、わたしの心はあの方から離れてしまった。そのことが遣る瀬なくて、御息所は伊勢に赴く決心をなされたのだろう」
今となっては、気の毒で申し訳ないことだった。
六条御息所からの手紙がいたく胸にしみるので、使いの者を須磨に2、3日滞在させて御息所の近況をいろいろ尋ねた。
使者は、若々しくて教養のある人物である。
通常であれば、直に対面することなどありえない源氏の立派なたたずまいを前にして感涙した。
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地域圏議会選挙で極右政党(国民戦線)が第一党になったことに危機感を抱いた人々が、決選投票では投票所に出かけたからという。フランス革命(自由・平等・博愛)の国なら、はじめから一票投じろよ。
もっとも、よそ事ではない。国家主義者である安倍晋三氏に危機意識をもっている日本人は
はたして何パーセントいるのだろうか
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須磨⑨悪夢
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