光源氏 紫の上 桐壺院 藤壷 右大臣 朧月夜
夕霧 六条御息所
月岡芳年画 「在原行平 松風 村雨」
「中納言行平朝臣左遷須磨浦逢村雨松風ニ蜑戯図」
光源氏のモデルのひとりである在原行平も、なかなかの艶福家。流謫の地・須磨で、松風と村雨のふたりの女性と恋仲になっている
国立国会図書館デジタルコレクション
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そして、須磨くだりの原因ともなった密会相手の朧月夜、いまは娘の斎宮とともに伊勢にいる傷心の六条御息所などなど。
源氏は、それぞれに手紙(和歌)を書こうと思い立つ。
そこで改めて、自分にとって藤壺と紫の上がいかに特別な存在であるかということに気づかされた。
ふたりを思い浮かべながら和歌や文を考えていると、胸に熱いものがこみ上げてくる。
筆は思うように運ばず、目は涙にくもって文字がぼやける。
藤壺に宛て、
〇 松島の 海人の苫屋も いかならむ
須磨の浦人 しほたるるころ
藤壺様には、その後いかがお過ごしでしょうか。わたしは、須磨の浦の粗末な家で涙に泣き濡れております
昔から悲しみの涙に暮れることには慣れておりますが、来し方を振り返り行く末を想うと、まっ暗闇といった思いに閉ざされてしまいます。
桐壺院亡きあと、宮廷を牛耳っている政敵・右大臣の娘である朧月夜の許には、女房の中納言の君宛と装って、その中に朧月夜への手紙をしのばせた。
〇 こりずまの 浦のみるめの ゆかしきを
塩焼く海人や いかが思はむ
過ぎ去った日々の事どもが思い出されるにつけて、性懲りもなくお逢いいたしたく存じます。あなた様は、いかがお思いでしょうか
左大臣邸には、宰相の乳母に宛て、夕霧の養育に関する事柄などを書き送った。
一方、都では、須磨からの使いがもたらした手紙(和歌)を読み終えた者たちが心を痛めていた。
源氏ほどの貴公子が鄙びた土地で侘び住まいをしていると思うと、気の毒でならないようだ。
紫の上は日がな一日起き上がることもできないほどの悲しみにうち沈み、女房たちはどう慰めて元気づければいいのか分からず困り果てている。
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NHKが、ますますおかしくなった。安倍自民党べったりの偏向報道がひどい。
自民党の「御用新聞」や「広報部」などと揶揄されている読売や産経などはそれはそれで仕方がないが、国民から「受信料」を徴収しているNHKはそうはいかない。
政治権力に対する批判精神の欠如したメディアはいらない。「一億総活躍社会」に寄与するだろうが、
同時に、「一億総白痴化」にも奉仕するだろう