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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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賢木24宿直申し

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平安貴族女性平安貴族女子のおしゃれ

滝口の陣 滝口の陣
内裏の警備にあたる滝口の武士が、清涼殿の東北の詰所(滝口)にいた

   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

身分の高い女に備わっている重々しさには快活な分やや欠けるが、優美で若々しく女の魅力にあふれている。


まもなく夜が明けようかという頃、すぐ近くで声がした。

宿直(とのい)申しの者でございます」

宿直申し 宮中に宿直した衛府(えふ)や滝口の武士が、
        毎夜定刻に自分の姓名を名乗ること

「わたしの他にも、近くに女と密会している男がいるのだろう。それを意地の悪い同僚が宿直の者に教えて、わざと嫌がらせに寄こしたのだ」

源氏はそう推測したが、面白いと思う反面、自分に飛び火したら厄介な事になるとひやりとした。

宿直の者は、あちらこちらで声を張り上げている。

「ただいま、4時でございます」

朧月夜

〇 心から  かたがた袖を  濡らすかな

      くと教ふる 声につけても

わたしのほうからお誘いした恋ですもの、涙で袖を濡らしております。夜がけると教えてくれる声を聞いても、源氏の君かれるのかと不安におののいております

いじらしくて、心魅かれる歌である。

源氏

〇 嘆きつつ  わが世はかくて  過ぐせとや

      胸のあくべき  時ぞともなく

一生を嘆きながら過ごせというのでしょうか。胸の思いの晴れる間もなく

もうすぐ、夜が明ける。

暁月夜
 暁月夜(あかつきづくよ) 有明の月

源氏は、慌ただしく「弘徽殿の細殿の局」を出た。

夜の深い暁月夜に、何ともいいようのない趣のある霧が立ちこめている。

源氏はお忍びゆえひどく質素な身なりだが、それはそれで見事な男っぷりである。



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