上皇・法皇が住んだ。京都御苑内(前回の記事参照)
仙洞御所の庭園
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
四十九日が過ぎたころ、三条宮邸に戻る藤壺中宮を、兄の兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)が迎えにきた。
その日は朝から雪が降りしきり、風が吹き荒れていた。
院の御所はすでに人影か少なくなっていて、しんみりしている。
源氏が中宮の部屋にやってきて、三人で桐壷院の思い出話にいっときを過ごした。
庭先の五葉の松が雪にしおれ、下葉が枯れているのをみて、兵部卿宮、
○ 蔭ひろみ 頼みし松や 枯れにけむ
下葉散りゆく 年の暮れかな
木蔭が広いので頼りにしていた松の木は雪のために枯れ、下葉も枯れて散ってゆく寂しい年の暮れよ
五葉の松
それほどの歌ではないが、折柄、しみじみと源氏の心に触れた。
池の水が一面に凍っているのを見て、源氏、
○ 冴えわたる 池の鏡の さやけきに
見なれし影を 見ぬぞ悲しき
氷の張りつめた池は鏡のように冴えわたっているのに、長年見慣れた桐壷院のお姿を見られない悲しさよ
年が改まった。
諒闇中なので、宮中でも世間でも、華やかな催しをすることもなく、いたって静かな年明けである。
諒闇(りょうあん) ・帝が父母の崩御にあたり喪に服する期間
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独裁者を恐れて、ずっと口をつぐんだまま