逢坂(おうさか)の関
646年の「大化改新の詔」において、畿内の北限とされた 山城と近江の国境
逢坂の関は、東海道と中山道が越える交通の要衝
鈴鹿の関、不破の関とともに三関(さんかん)
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源氏は、夕闇のなかを遥かに伊勢まで旅だってゆく一行を見送りながら、しみじみと感慨にふけっている。
しばらくして気を取り直すと、御息所あてに和歌を詠んで榊(さかき)の枝に挿した。
○ 振り捨てて 今日は行くとも 鈴鹿川
八十瀬の波に 袖は濡れじや
わたしを振り捨てて旅立って行かれますが、鈴鹿川を渡るころには八十瀬(やそせ)の川波(涙)にあなたの袖が濡れはしないでしょうか
すっかり夜が更けてしかも慌ただしい頃だったので、翌朝、逢坂の関の向こうから返事があった。 鈴鹿川
○ 鈴鹿川 八十瀬の波に 濡れ濡れず
伊勢まで誰れか 思ひおこせむ
鈴鹿川の八十瀬の波にわたしの袖が濡れるかどうか分かりませんが、伊勢に行ったわたしのことを誰が思い起こしてくれましょう (光君だって)
筆跡はいかにも典雅だが、感情を抑えた歌が返ってきた。
その日は若紫のいる西の対にも顔を見せず、日がな一日物思いに沈んでいた。
ましてや、旅の空の御息所の思いはいかばかりか。
十月に入ると、桐壷院の病状がたいそう重くなった。
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賢木⑫旅の空
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