袍(ほう) 束帯及び衣冠着用時の上着
下襲(したがさね) 束帯の内着
纓(えい) 冠の付属具で背後の中央に垂らす部分
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源氏は叔母である大宮に別れの挨拶の手紙を届けさせた。
院の御所へ着くと、桐壺院、
「何日も精進したせいか、ずいぶん面やつれしたものだ」
すぐに食事などをとらせ、源氏が恐縮するほど何くれとなく心を配って世話をした。
すこし元気をとりもどすと、つぎに藤壺の中宮をたずねる。
女房たちが久しぶりの来訪を珍しがり嬉々として迎えた。
源氏がだれよりも会いたい藤壺の中宮は、王命婦(おうみょうぶ)を通して、
「北の方を亡くされて光君には悲しみが尽きないことと拝察いたします。日が経つにつけましてもご心中いかばかりかと」
源氏、
「この世が無常であることは一通りはわきまえているつもりでございました。
しかし身近な者の死をみますと、つくづくこの世が厭わしく思い乱れることも多々ございました。
そんなとき藤壺様からたびたびお見舞いのお便りを頂きまして、どれほど慰められたことでございましょう。
お蔭さまで、今日まで生き永らえることができました」
無紋の袍(ほう)に鈍(にび)色の下襲(したがさね)をきて、冠の纓(えい)を巻きあげた源氏の喪服姿は、華やかに装ったときよりもいっそう優美でなまめかしい。
東宮(とうぐう 皇太子 源氏と藤壺の子)にも久しく会っていないことが気がかりで、夜が更けてから退出した。
やっと自邸に戻ってきた。
二条院では、邸中の部屋や調度類を磨き立てて、男も女もみんな打ち揃って久々の源氏の帰りを楽しみにしていた。
身分の高い女房らは里から戻って美しく着飾り、これみよがしに化粧をこらしている。
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今度の事件で、すっかり変わりました。平和国家からきた日本人として中東でも比較的安全だったのが、「向こう見ずな首相(というより血気盛んな青年将校)の発言と行動」とによって、過激派の無差別テロの標的に
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葵28久々の二条院
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