光源氏 朧月夜 桐壺院 藤壺中宮 朱雀帝 弘徽殿太后 東宮(春宮) 六条御息所
仙洞御所 京都御所
中央やや右上に廬山寺(ろざんじ 紫式部生誕の地)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
その姫君を、これから朧月夜(おぼろづきよ)とよぶ。
桐壺帝が譲位して、朱雀(すざく)帝の世になった。
源氏は22歳、大将に昇進している。
しかし代替わり後は何ごとにつけても億劫になり、身分の高さも加わってかつてのような忍び歩きは憚られた。
それゆえ、都のあちらこちらで源氏の足が遠のいた女たちは孤閨をかこっている。
桐壺院は仙洞御所(せんとうごしょ 上皇や法皇の住居)で、在世当時にもまして藤壺中宮と寄り添って仲睦まじく暮らしている。
折りにつけ詩歌管弦の遊びなどを興趣深く催している様子は、宮中でも話題になった。
古女房の弘徽殿太后は面白くないので、もっぱら宮中で朱雀帝の面倒をみている。
桐壺院の心配の種は東宮のこと。
しっかりした後見人のいないのが気がかりで、さしあたっては源氏を頼りにした。
そのために出世させたのだが、政治的基盤はまだまだ弱い。
源氏は気が咎める一方、うれしくもあった。
それはそうと、あの六条御息所(ろくじょうみやすどころ)と亡くなった前の東宮とのあいだの姫宮が、こんどの代替わりで伊勢の斎宮に決まった。
*斎宮(さいぐう) 伊勢神宮に奉仕する斎王(orの御所)
六条御息所は源氏の愛情があてにならないので、「幼い娘が心配だから、いっしょに伊勢に下ろう」と前々から考えていた。
桐壺院はそのへんの事情をかねてより耳にしていたようで、機嫌が悪い。
珍しく、源氏を叱りつけた。
「亡き東宮は、御息所をたいそう寵愛されていた。光は軽々しく並の女のように扱っているそうだな。おいたわしいことだ。
わたしは斎宮を、わたしの姫宮たちと同じように思っている。
光はけっして御息所を疎略に扱ってはならない。気まぐれに浮気をしていては、そのうち世間の非難を受けるだろうよ」
源氏は自分でも、「仰せのとおり」と分かっているので恐縮して控えている。
「女たちに恥をかかせてはならない。どの女も傷つけてはならぬ。女の恨みを受けてはならぬぞ」
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もと優秀な外務官僚といえど今は民間人(11/7の動画)と、つい先日まで防衛相だった政治家のもつ情報量がどれだけ違うか。いい見本になっています