鞍馬寺が『源氏物語(若紫の巻)』にでてくる「北山のなにがし寺」の候補地であることを記している。最後に、岩倉の大雲寺(紫式部の曽祖父・藤原文範創建)も候補の一つであることを書き添えている。
小袿 (こうちぎ)
貴族階級の女子が着用した
「*限りなう心を尽くしきこゆる人」にあまりにも似ている。
* 限りなく思いを寄せている方(藤壺)
尼君が、少女の髪をかき撫でながら泣いている。
「あなたは髪を梳くのを嫌がるけど、見事な髪だこと。
あなたの子供っぽいところが、心配でなりません。亡くなった母君は十歳ほどで父君に先立たれたけれど、その時分にはちゃんと物の道理をわきまえていましたよ。
それなのに、もし今わたしが死んでしまったら、あなたはどうやって暮らしていくの」
○ 生ひ立たむ ありかも知らぬ 若草を
後らす露ぞ 消えむ空なき
これからどこでどう育って行くのか分からない若草のようなあなたを残して、露のようにはかないわたしは死ぬに死ねません
そばにいた女房が、「本当に」ともらい泣きして、
○ 初草の 生ひゆく末も 知らぬ間に
いかでか露の 消えむとすらむ
初草のように幼い姫君のご成長をご覧にならないうちにどうして尼君様は先立たれるようなことをお考えになるのでしょう
そこへ、僧都がやって来た。
「ここは人目につきます。源氏の君が、瘧病(わらわやみ)の治療のために来ておられるそうです。たった今、聞きました。お忍びだそうで、まだお見舞いにも上がっておりません」
尼君は、あわてて簾(すだれ)を下ろした。
「まあ大変。こんな見苦しい様子を、だれかに見られたのでしょうか」
「世間で評判の源氏の君を、この機会に拝まれてはいかがですか。私のように世を捨てた法師さえ、世俗の憂さを忘れ寿命が延びるような気分になるお姿だそうです。
これから、私はご挨拶に参ります」
僧都が立ち上がったので、源氏は小柴垣を離れた。
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欧米の一部のメディアは、三人衆の登場以来、NHKを『あべテレビ』と呼んでいるそうです。
右翼であればだれでもいい安倍人事が続けば、ますます国際社会から見放されるでしょう。反発したり呆れたりしているのは、「言いつけ外交」の中国と韓国だけではないのです。
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