![$吉備路残照△古代ロマン-源義朝](http://stat.ameba.jp/user_images/20120908/13/asaborake/7c/08/j/t02200194_0250022112177524719.jpg)
義経は、自分の身を案じて秀衡が、「関東へ行くのはまだ早い」と言ってくれているのは十分すぎるほど分かっている。
だが、今すぐにでも兄・頼朝とともに平家を倒して父・義朝の仇を討ち、都に源氏の旗を立てたいという気持ちを抑えようもない。
ひそかに平泉を脱出して、鎌倉に向かった。
そのことを知ると秀衡は、家臣の佐藤継信と忠信兄弟を呼んで命じる。
「義経殿を追いかけて、どこまでも供をせよ」
ここで想像をたくましくすると、秀衡がいよいよ時機到来とみるまで義経が平泉で待機していたら、数百あるいは数千の兵を貸し与えるつもりではなかっただろうか。
百戦錬磨の秀衡公、まさか義経を単身で鎌倉の頼朝のもとへは送るまい。
だが、脱走したら如何ともしがたい。
義経は佐藤兄弟のほかに、伊勢義盛と堀景光、武蔵坊弁慶ら20人にも満たない、
とても軍勢とはいえない少人数で鎌倉へ走った。
老練な政治家である秀衡は、実弟がこんなわずかな人数で参陣したら御家人たちの手前、
頼朝の体面を傷つけることを見通していたはずだ。
そのことと義経の母・常盤の出自(家柄)が低いことから、頼朝は義経を弟としてではなく、家人として遇することになる。
常盤は都で一番の美女だが、当時は出自がモノをいった。
熱田神宮の大宮司の娘を母とする頼朝には、どうやら異母兄弟に対して強烈な自負心があったようだ。
頼朝の御家人たちは、義経の存在すら知らなかった。
義経伝説紀行 Vol,1~5 牛若から義経へ 鞍馬山・清水寺・比叡山・宮島/音戸・熱田神宮/日経BP社
![](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41FTNRYEM4L._SL160_.jpg)
¥2,588
Amazon.co.jp
NHK大河ドラマ 義経 完全版 第壱集 [DVD]/ジェネオン エンタテインメント
![](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51DDSK2E4NL._SL160_.jpg)
¥36,750
Amazon.co.jp
義経伝説をゆく―京から奥州へ/京都新聞出版センター
![](http://ecx.images-amazon.com/images/I/513W24PTYAL._SL160_.jpg)
¥1,400
Amazon.co.jp