平重盛 菊池容斎画 『前賢故実』 江戸時代
言うまでもなく、鹿ケ谷の陰謀は、清盛政権下で初めて発覚した反平家の動きである。
藤原成親 (なりちか) が、人事への不満から西光法師や俊寛僧都、多田行綱らを語らって、高位高官をほぼ独占している平家を打倒しようとした事件だ。
清盛と対立を深めつつあった後白河院も、加わっている。
鹿ヶ谷の陰謀②主なメンバー
さいわい未遂に終わるが、このクーデターは、重盛と維盛にとって思いもかけない企てだったはずだ。
そして、ショックを受けるとともに困り果てた。
なぜなら、重盛の妻・経子 (けいし つねこ) は成親の妹であり、維盛の妻・建春門院新大納言は成親の娘なのである。
つまり、成親は重盛にとっては義兄であり、維盛にとっては舅である。
言い方を変えれば、重盛の家は二代続けて成親の家からお嫁さんを迎えた。
そういうごく近しい親戚筋の成親が、平家を滅ぼそうと画策したのだ。
清盛の子供たちには、分かりやすくいえば母親の違いによる派閥らしきものがある。
高階基章の娘を母とする嫡男の重盛と、平時子 (二位尼) が産んだ宗盛、知盛、重衡たちである。
それだけに、重盛・維盛父子にとって、もう一つの身内である成親による 「鹿ヶ谷の陰謀」 は衝撃だったろうし、
一門における立場を危うくさせかねない重大事件だった。
事実、重盛は発覚後、すぐに内大臣の辞表を出している。
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平家物語の群像 維盛②鹿ケ谷の陰謀の衝撃
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