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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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平家物語の群像 弁慶⑥恋しき人の 影を止めねば

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$吉備路残照△古代ロマン-静御前  静 上村松園画


西海 (九州) を目指して船を漕ぎ出してはみたものの、暴風のため進まず、大物浦に押し戻されてしまった。

待ち構えていた頼朝の軍勢と戦闘になるが、家来たちの奮闘によりなんとか撃退する。

しかし、頼朝の追跡の手がいっそう厳しくなることが予想されるため、義経は家来の行く末を案じて縁故のある土地へ行くように計らい、義経自身は、静御前弁慶佐藤忠信らわずかな手勢とともに吉野山を目指した。

頃は、「都に春は来れども、吉野はいまだ冬ごもる」 季節で、吉野の谷川には氷さえ見えた。

静を伴って吉野に来たが、静は慣れない山越えで疲れ果てている。

そのうえ、義経の子を身ごもっていた。

静を京に帰そうと、数名の従者をつけて山を下らせた。

義経が小さな鏡をに渡して、「これを朝晩わたしと思って眺めるように」 と言い聞かせると、静は涙に暮れならが、

○見るとても 嬉しくもなし ます鏡
   
         恋しき人の 影を止めねば

鏡を見ても嬉しくありません。愛する人の姿を映してはくれないから

と詠んで、吉野山を下って行った。




途中で従者に持ち物を奪われ山中をさまよっていた時に、山僧に捕らえられ、京の北条時政に引き渡された。

そして、文治2(1186)年3月、母の磯禅師とともに鎌倉に送られる。

同年4月8日、静は頼朝に鶴岡八幡宮社前で白拍子の舞を舞うよう命じられた。


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