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Channel: 吉備路残照△古代ロマン
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平家物語の群像 弁慶⑦奥州平泉へ

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$吉備路残照△古代ロマン-奥州藤原氏三代  奥州藤原氏三代 上:清衡、向かって右:基衡、左:秀衡


頼朝・政子夫妻が鶴岡八幡宮に参詣するさい、舞を披露せよというのだ。

御家人たちも、「都で名高い、白拍子の舞をひと目みたい」 と楽しみにしている。

静は、「捕われの身で、目立つ場に出るのは屈辱」 と、病を理由に断ったが、頼朝から再三使いが来た。

やむなく、鶴岡八幡宮若宮の回廊に設けられた舞台に立った。
 

○吉野山  峰の白雪  ふみわけて

     入りにし人の  跡ぞ恋しき

吉野山の峰の白雪を踏み分けて姿を隠していったあの方 (義経) が恋しい

本歌

○みよしのの 山の白雪 ふみわけて 

      入にし人の おとづれもせぬ  壬生忠岑 (みぶのただみね)

白雪を踏み分けて吉野の山に入った人から、さっぱり連絡がない


○しづやしづ  賤のをだまき  くり返し

     昔を今に  なすよしもがな

「静よ静よ」 と繰り返し私の名を呼んで下さったあの昔のように、義経様の時めく世に今一度したいものよ

本歌

○古の しづのおだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな   伊勢物語

昔、親しい語らいをし関係をもったことのあった女に、何年かたって(男が)、昔の織物の麻糸をつむいで巻きとった糸玉から次第に糸を繰り出すように、もう一度親しかった昔に時をまきもどして、あの楽しかった過去の日を現在にする方法があるといいなとしみじみ思うよ  

義経を慕って謡ったのが頼朝を激怒させるが、妻の北条政子が、「私が静の立場であっても、あのように謡うでしょう」ととりなした。

7月29日、静は男児を出産。

頼朝の命を受けた安達清常が赤子を受け取ろうとするが、静は泣き喚いて放そうとしない。
磯禅師が、娘から赤子を取り上げて清常に渡した。

義経と静の子は、生まれて間もなく由比ヶ浜に沈められた。




義経は吉野をでて、反頼朝の貴族や寺社勢力にかくまわれて京都周辺に潜伏するが、文治2年(1186)年5月、叔父の行家が鎌倉方に討ち取られ、各地に潜伏していた家来も次々と発見され殺害された。

後白河院や貴族が義経をかばっていることを疑った頼朝は、「京都が、義経を守るのなら大軍を送る」 と恫喝した。

京都にいられなくなった義経は、弁慶らとともに藤原秀衡を頼って奥州の平泉へ逃れる。


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