源氏物語名場面52
玉鬘 漆
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大夫監は
乳母の言葉など気にも留めない。
一方的に
《結婚式の日取り》を決めて
肥後国へ帰りしな乳母に通告した。
「4月20日に、姫君を迎えに来るので―」
■
不安に駆られた乳母は
玉鬘や豊後介ら子供たちと相談した。
「これから、どうすべきか」
玉鬘は秘かに心に決めている。
「大夫監と
結婚するぐらいなら死んだ方がまし」
次男と三男は
「大夫監に逆らえば酷い目にあいましょう。
ここは姫君に―」
長女のおもとは子沢山で育児に忙しい。
「わたしは動けないので、今のまま―」
■
結局
玉鬘と乳母と豊後介
末娘の兵部の君の4人が配偶者や
子供たちと別れて帰京することとなった。
■
4月20日の前夜
4人は
ひっそりと《屋敷》を出ると
夜陰に紛れて【鏡神社】前の浜辺から
頼りなげな舟に乗って京へと漕ぎ出した。
長女のおもとだけが見送りに来てくれた。
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