源氏物語名場面㉓
須磨 壱
流謫の地
現光寺/源氏寺
『阪神・淡路大震災』による倒壊後、再建。
浄土真宗本願寺派
神戸市須磨区
源氏が
都を落ちて明石へ移る
まで侘び住まいした須磨の住居跡
近くに
『平家物語』縁の広大な須磨寺がある
■
草深い須磨での
男所帯の暮らしは侘しい。
源氏は
日々の寂しさを紛らすため
絵筆をとって須磨の風景を描いたり
琴を気ままに掻き鳴らしたりしていた。
梅雨に入って人恋しくなると
都へ使いを遣って
紫の上や藤壺尼宮、朧月夜らの近況を尋ね、
伊勢の
六条御息所とは手紙のやり取りをした。
朧月夜は
源氏の逆境を悲しんでいるが
朱雀帝の寵愛は少しも変わっていない。
朱雀帝は
父桐壷院の遺言
「右大臣家から光を守れ」
に背く結果となったことを嘆いているが
気性の激しい
祖父右大臣や母弘徽殿大
后に比して余りにも優しいのだ。
朱雀帝は子供の頃から
腹違いの弟源氏に劣等感を抱いていた。