源氏物語
36帖柏木
光源氏:48 紫の上:40 夕霧27 雲井の雁32
朱雀院50 柏木32 女三の宮:22
薫1 女二の宮24
松尾芭蕉句碑
現光寺の境内
〇 見渡せば ながむれば見れば 須磨の秋
須磨の秋は見渡すかぎり哀れで趣深い
☆
《須磨の秋》の情趣の深さを表現するため
馴染みの和歌三首を読み手に連想させようと、
「見渡せば」、「ながむれば」、「見れば」と類語を重ねた。
自己流の勝手な解釈です↑
○ 見渡せば 花も紅葉も なかりけり
浦の苫屋の 秋の夕暮 藤原定家 (新古今集)
○ さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづくも同じ 秋の夕暮 良暹法師 『(後拾遺集)
○ 月見れば 千々に物こそ 悲しけれ
我が身ひとつの 秋にはあらねど 大江千里(古今集)
尼宮(女三の宮)は返事もできずにうち伏してしまった。
出家したばかりの尼宮が見慣れない墨染めの衣をまとって伏せている様はいたいけな子供のように見える。
夕霧は、柏木が今わの際に言い残した遺言めいた言葉をつらつら考えていた。
遅まきながら女三の宮(当時)とのことを源氏に取り成してほしいということと、女二の宮(妻)をよろしく頼むということである。
夕霧は、女三の宮が出家した理由は産後の肥立ちが余りにも悪かったからと聞いていた。
一方、紫の上の重篤状態が長期にわたったとき紫の上が繰り返し懇願しても源氏は決して髪を下すことを許さなかった。
なぜ、女三の宮には許したのか。
やはり、柏木と女三宮の間に何かあったのではないか。
柏木が女三宮に恋い焦がれていることは前から知っていた。
柏木はふだんは冷静な男だが、思い詰めると何を仕出かすか分からない性分であることも知っていた。
どんなに惚れていても、一方的に道ならぬ恋に突き進めば相手は困るだろう。
今でいうところのストーカーである。
名作映画案内59
日本のいちばん長い日
2015年公開
原作*半藤一利
ノンフィクション「日本のいちばん長い日」
監督・脚本*原田眞人
主演*役所広司/阿南惟幾陸軍大臣
松坂桃李/畑中健二少佐
★
『ポツダム宣言』の受託
により8月14日夜、終戦の詔勅
降伏か本土決戦かを議論する閣議
が連日開かれるが一向に結論が出ない。
8月初旬、
広島と長崎に原子爆弾投下。
ソ連の対日参戦。
「無条件降伏」か「一億総玉砕」か
阿南陸軍大臣は決断を迫られていた。
その頃、畑中少佐ら
若手将校は徹底抗戦のクーデターを--。
136分