源氏物語
第34帖若菜上
源氏:39~41 紫の上31~33 女三宮13~15 夕霧18~20
明石の君:30~32 明石女御:11~13 柏木:23~25
光源氏は、
紫の上&明石の姫君(現中宮)&女三宮
と同じ【春の御殿】に住んでいる。
但し中宮は内裏暮らしでたまに里下りする。
夕霧は、
雲井の雁と結婚(通い婚)しているが、
養母の花散里と【夏の御殿】に住んでいる。
玉鬘は、髭黒に嫁いだので今はいない。
夕霧たちは身分を忘れて冠を飛ばしそうになるほど蹴鞠遊びに夢中になっている。
やがて疲れたのか、桜の一枝を折って寝殿の御階の中ほどに腰を掛けた。
柏木も、すぐに息を弾ませながらやって来た。
ふたりが女三宮のいる寝殿の西面に目をやると、華やかだが慎みに欠ける若い女房たぢが賑やかにおしゃべりをしている。
奥床しさとか身を慎しむとかいう雰囲気は、どこにもない。
外から姿を隠すための几帳は、隅の方に押しやられている有り様だ。
そこへ、唐猫二匹が追いかけっこしながら御簾の端から飛びだしてきた。
その拍子に、御簾に唐猫を繋いでいた紐が何かに引っ掛かって御簾がまくれ上がった。
室内が、外から丸見えになった。
袿に身を包んだ女三宮の立ち姿が、はつきり見えた。
当時の風習では、絶対にあってはならないことである。
二人が目にしたは、細身で小柄な少女。
髪のかかった横顔は可愛らしく、猫の鳴き声に振り返った姿はあどけない。
夕霧が咳払いをして注意を促すと、女三宮と女房たちは慌てて奥の部屋へ逃げるように去った。
It Never Rains in Southern California
Albert_Hammond
- 「it never rains」を「青い空」
- と転換する翻訳の妙