源氏物語
第33帖藤裏葉
光源氏39 紫の上:31 東宮(春宮) 明石の君:30
明石の姫君:11 夕霧:18 雲居の雁:20
御阿礼みあれ神事(祭)
毎年、古くは旧暦4月の中の午の日、
現在は5月12日の夜、
上賀茂神社で行われる神迎えの神事。
みあれは出現あるいは誕生の意味。
神社の北西約880mの御生野みあれのに祭場
を設けて、幣をつけた榊に神を移す神事を
行い、それを上賀茂神社に迎える祭り。
内大臣は、女になったばかりの雲井の雁をからかいながら部屋を出て行った。
一方、六条院では源氏が結婚生活の心構えについて夕霧に教え諭している。
「もう後朝の文は差し上げたか。
よほど聡明な人でも、女のことでは度々しくじるものだ。
だが、お前は見苦しいほど雲井の雁だけを思い詰めて決して心変わりしなかった。
その点では、内大臣はお前の人柄を信じて安心しておられるだろう。
内大臣は、お前たちのことでは余りにも頑なだったが今はすっかり改心しておられるようだ。
だからといって、お前はいい気になって浮気心など起こしてはいけない。
内大臣は大らかで寛大な性格に見えるが、内面はねじけていて付き合いにくいところがある」
源氏の顔も体形も、夕霧の父親というよりも少しだけ年上の兄にしか見えない。
ふたりは、同時に会うとそれぞれ余人に代えがたい個性と魅力を放つが、別々に会うと確かに瓜二つにしか思えない。
く
六条院の「明石の姫君入内の儀」は、4月20日頃であった。
紫の上は御阿礼祭に参詣しようと例年のように夫人たちを誘ったが、だれも同行しようとはしなかった。。
それゆえ今年は仰々しい牛車の長い列にはならず、20台ほどを連ねて上賀茂神社に向かった。
*前駆なども混乱するほどの大人数でなく簡略にしたことで、かえって例年にもまして格別な趣があった。
*前駆ぜんく
行列などの前方を騎馬で進み先導することorその人。
I Was Born To Love You
Queen