源氏物語
第32帖 梅 枝
光源氏39 紫の上:31 東宮(春宮) 明石の君:30
明石の姫君:11 夕霧:18 雲居の雁:20
兵部卿宮 朝顔
梅
冬来たりなば春遠からじ
梅一輪 一輪ほどの 暖かさ 服部嵐雪
沈箱じんばこ 香壺こうこ/ご
沈香木をおさめる箱 香を入れておく壺
源氏は、年が改まると、目前に迫ってきた明石の姫君の*裳着の準備に余念がなかった。
東宮も、同じ頃に*元服の儀式を執り行う予定である。
姫君は裳着の儀式にひき続いて入内することになっているので、源氏は熱心にお香の調合に工夫を凝らしている。
*裳着もぎ 女子の成人式
*元服げんぷく 男子の成人式
二月十日、朝から小雨が降っている六条院の紅梅はみごとに咲き誇っている。
色も香もひときわ素晴らしい時分に、兵部卿宮がやって来た。
亡き桐壺帝在世のころから仲の良い兄弟なので、源氏は裳着の儀式の支度について何くれと相談していたのである。
源氏と宮が匂うような紅梅を称賛しているところへ、従者が朝顔からという*沈の箱を持ってきた。
*沈の箱には、梅の枝に結んだ手紙が入っていた。
源氏がかつて朝顔に心を寄せていたことを知っている宮は興味津々。
「お手紙には、どのようなことが認められているのでしょうか」
源氏は微笑をたたえて、
「先だって無遠慮なことをお願いしていたのですが、几帳面にも*沈の箱を用意して下さったのです」
そう言うと、手紙の内容には触れず懐に仕舞った。
*沈(の)箱 沈香木じんこうぼく(代表的な香木)をおさめる箱
沈の箱には、*瑠璃の *香壺をふたつ並べて置いてあった。
*瑠璃 ガラス
*香壺 香を入れる壺
【解説】宇高航路109年の歴史に幕
その背景に迫る
経済合理主義
の名のもと確実に「旅情」が失われてゆく。
青函連絡船 最終日 青森桟橋編
深夜のラジオから
アンジェラ・アキ
「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」MV 映画ver