第三十一帖真木林
玉鬘十帖(玉鬘~真木林)の最終帖
光源氏37~38 紫の上29~30 蛍兵部卿宮 玉鬘23~24
内大臣40~41 秋好中宮28 夕霧16~17 明石の君:28
柏木21~22 明石の姫君9~10 髭黒大将32~33
花散里23~24 弁少将 雲井の雁 冷泉帝19~20
真木林 (髭黒の娘。系図では右下)
宮中三殿
内侍所/賢所かしこどころは、内裏で神鏡を奉安する建物。
女官の内侍が守護したから「内侍所」と呼ばれた。
神鏡
神聖な鏡という意味で、三種の神器の一つ
「八咫やたの鏡」は神鏡の一つ。
帝は心底驚いたが、まだ未練たらたらのようで、
「玉鬘があの髭黒と結婚したと耳にしたが、まことか。
後宮にとは言わない、女官として出仕してくれないものだろうか」
一方、内大臣はほっと胸をなでおろしていた。
もし玉鬘が参内すれば、異母姉の弘徽殿女御と帝の寵愛を争うことにもなりかねないからだ。
髭黒大将に嫁げば、そうした心配がなくなる。
白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の
酒はしづかに 飲むべかりけり 若山牧水
十一月にはいった。
宮中では神事などが三日にあげず催されるので、「*内侍所」が多忙をきわめる時節である。
華やかな衣装に身を包んだ女官たちや「内侍所」の女房たちが、ひっきりなしに玉鬘の部屋に出入りするようになった。
そんな時にも、髭黒が明るいうちから人目を忍んでやって来るので、その無神経さが玉鬘は腹立たしかった。
*内侍所/賢所
宮中で天照大神の御霊代みたましろとして八咫鏡やたのかがみを安置
している建物。
髭黒のいない頃を見計らって、源氏がやって来た。
玉鬘は朝から気分が悪く臥せっていたが、几帳の陰に隠れるようにしてゆっくりと起き上がった。
すべては、「古事記」から始まった
「天災は忘れた頃にやって来る」
寺田寅彦先生(1878~1935)
「地球は変わってしまった」
草葉の陰で嘆いておられることでしょう。
深夜のラジオから
「太陽は燃えている」
Engelbert Humperdinck
エンゲルベルト・フンパーティング
「自由がなくなるくらいなら、死んだほうがましだ!」
若者の悲痛な叫びが
香港人の共通認識になっているのでしょう。
日本と日本人を頼っていますがーー。