第三十帖 藤袴
光源氏37 紫の上29 蛍兵部卿宮 玉鬘25 内大臣40
秋好中宮28 夕霧16 明石の君:28 柏木21
明石の姫君9 髭黒大将32 花散里23
冷泉帝19 雲井の雁 弁少将
「竹取物語」から
かぐや姫を籠に入れて育てる翁夫妻。
17世紀末(江戸時代後期) メトロポリタン美術館蔵
髭黒大将は若いころから色恋にうつつを抜かすような性格ではなかったが、玉鬘に対しては執拗に求愛している。
というのも、
「内大臣は自分の味方になってくれそうだし、姫君(玉鬘)はそもそも参内することに乗り気ではないと聞いている。
ただ源氏の君のご意向だけは違うようだが、実の父君さえ承諾して下されば--」
「何とかなる」、と楽観的に考えているからだ。
しかも、正妻とは一日も早く離縁したいと思っている。
懇意にしている玉鬘の女房・弁の御許べんのおもとに仲を取りもってくれるよう諦めることなく幾度となく催促した。
九月にはいった。
初霜が降りてしみじみとした趣のある朝。
女房たちがそれぞれ親しい男君たちから預かった玉鬘への懸想文を手に忙しく部屋や廊下を行き交わしている。
玉鬘自身は次々に届けられる懸想文に自分で目を通すことはなく、女房たちが読み上げる文面を眉一つ動かさず無表情に聞いている。
「源氏物語」には数多の美人や才女、あるいは両方を兼ね備えた女人たちが登場する。
しかし玉鬘ほど、男たちから懸想文が殺到する女君はほかにいない。
まるで古典文学の大先輩である「竹取物語」に登場するヒロイン、かぐや姫のようだ。
しかも、二人とも男君たちからの懸想文を少しも喜んでいない。
むしろ迷惑に思っている。
作者の紫式部は、かぐや姫をモデルとして玉鬘を造形したのだろう。
髭黒大将の懸想文の要旨。
玉鬘がこの十月に参内することを念頭に、
示威者宣讀《香港臨時政府宣言》
香港デモ隊《香港臨時政府宣言⦆
警官たちは
北京の習近平政府が何を
狙っているのか分からないのか。
自分たちが懸命に守っているのは何か。
そもそも自分たちはどちら側の人間なのか。
古来、ごく少数の強者(権力者)は、
大多数の弱者たちを分断し
それぞれを戦わせて権力を維持してきた。
弱者たちが目覚めるまで。
命令だから仕事だから何も考えず
少年たちに向かって実弾を発砲しているのか。
一週間ほど前
警察官の家族がデモ隊に参加して
いるという報道があったが一切聞こえなくなった。