第三十帖 藤袴
光源氏37 紫の上29 蛍兵部卿宮 玉鬘25 内大臣40
秋好中宮28 夕霧16 明石の君:28 柏木21
明石の姫君9 髭黒大将32 花散里23
冷泉帝19 雲井の雁 弁少将
承香殿しょうきょうでん
髭黒は人柄が良いうえに将来は摂政ともなりうる立場の人物なので、内大臣は、
「玉鬘の婿として、何の不足があろうか」と思っている。
しかし、源氏が尚侍ないしのかみとして玉鬘を出仕させると決めていることにどうして反対することができよう。
「源氏の君が玉鬘を尚侍として参内させなさるには、それなりの理由がおありなのであろう」
内大臣には得心できる点もあるから、すべてを源氏に任せている。
髭黒は東/春宮(とうぐう皇太子)の生母、承香殿しょうきょうでん女御の兄弟である。
しかも源氏と内大臣に次いで、冷泉帝の信頼が厚い。
もし東宮が幼くして即位するようなことがあれば、髭黒が摂政として甥である帝を補佐する可能性がきわめて高い。
年齢は32、33歳くらいの男盛りだ。
北の方(正妻)は紫の上の異腹の姉妹であり式部卿宮の長女である。
正妻が3、4歳年長なのはよくあることだが、なぜか髭黒は正妻を
「おばあさん」
と呼んであまり愛情をかけず、何とかして離縁したい思っている。
源氏は正妻が紫の上の異腹の姉という関係から、初めから玉鬘が髭黒と結ばれることに乗り気ではなかった。
髭黒は若いころから色恋にうつつを抜かすようなことはなかったが、玉鬘に対しては熱心に親しい女房に懸想文を届けさせている。
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