第二十八帖 野分
光源氏36 紫の上28 蛍兵部卿宮 玉鬘24 内大臣39
秋好中宮27 夕霧15 明石の君:27 柏木20
明石の姫君8 髭黒右大将 花散里22
雲井の雁 弁少将 近江の君
花散里
風俗博物館 京都市
夕霧は蒲桜が花開いたような美貌の紫の上とおなじ源氏の妻
として六条院で暮らしている不美人の花散里を気の毒に
思うと同時に、
そんな花散里を見捨てない父の心の広さに感心する。
牛車
宇治市源氏物語ミュージアム
名うての色好みである父・源氏とはことなり、生真面目で堅物の夕霧は世間から非難されるようなことはしない。
「結婚する時は、あのような美しい方を妻にしたいものだ。
きっと、長生きできるだろう」
夕霧の考えることは、いたって健全である。
夜明け前には風がすこし弱まって、激しい雨が地面を叩きはじめた。
「六条院では、離れの建物がいくつか倒れたそうです」
との報告を受けた夕霧、
「【春の御殿】には大勢の人々が詰めているだろうが、人手の少ない【夏の御殿】の花散里さまは心細く思っていらっしゃるだろう」
夕霧は夜が明けきる前に六条院に向かった。
道すがら、横なぐりの冷たい雨が牛車に吹き込んできた。
そんな天候条件がひどく悪く場違いと思われるときに、夕霧の心から現実感がふわりと遠のいていった。
「これは一体、どうしたことか。
自分の心にいままでなかった物思いの種が生まれたのだろうか」
困惑する夕霧の脳裏に、紫の上の面影か浮かんだ。
「紫の上さまを恋しく思うなど、全くどうかしている。
正気の沙汰ではない」
六条院に着くと夕霧はいち早く【夏の御殿】を訪れて、まだ野分の恐怖に脅えている花散里を言葉を尽くして慰めた。
My Way 聴きくらべ
フランク・シナトラ オリジナル
美空ひばり
ポール・アンカ
My Way 作詞
Paul Anka
エルビス・プレスリー
セリーヌ・ディオン
加山雄三
シャーリー・バッシ―