二十五帖 蛍
光源氏36 紫の上28 蛍兵部卿宮 玉鬘24 内大臣39
秋好中宮27 夕霧15 明石の君:27 柏木20
明石の姫君8 髭黒右大将 花散里22
「越前守」として武生たけふ
に向かう藤原為時と紫式部と従者たち
紫式部公園〈説明版〉
光源氏 玉鬘 内大臣 秋好中宮 花散里
六条御息所 夕顔
系図にはないが、蛍兵部卿宮は光源氏の異母弟
映画 『源氏物語 千年の謎』から
夕顔(芦名 星)に襲いかかる六条御息所(田中麗奈)の生霊。
夕顔は玉鬘の、六条御息所は秋好中宮の母。
玉鬘は、うわべは実の父親のように振る舞いながら、二人っきりになると執拗に言い寄ってくる源氏の言動に苦しんでいた。
「けっきょく、これはわたしの不運が招いた不幸なのだ。
実の父(内大臣)に娘として認知していただき、他の兄弟姉妹と同じように父に大切にされた上で、源氏の君のご寵愛をいただくのならば嬉しくないことがあろうか。
いまの身寄りのないような境遇は、情けないし悔しい。
本当に、つらい。
いつか、源氏の君とのことが世間の物笑いになるかも知れない」
一方、源氏は父と娘の近親相姦のような見苦しい立場に玉鬘を貶めてはいけないと思ってはいる。
しかし、稀代の色好みである源氏は、未だに秋好中宮も諦めてはいないようだ。
折に触れて、中宮に穏やかならぬことを口にして気を引こうとする。
ただ中宮というこの上ない身分なので、近づくのも容易ではなく、あからさまに口説くようなことはしない。
玉鬘は人柄が親しみやすく今風だから、源氏は時折、気持ちを抑えきれずに、女房たちが見かけたら怪しむであろう振る舞いをする。
ちなみに玉鬘はかつて源氏の愛人であった亡き夕顔の娘であり、秋好中宮は夕顔の前の愛人で、嫉妬に狂って生霊となり夕顔を取り殺した故・六条御息所の娘である。
すなわち秋好中宮は、夕顔にとって「母親の仇の娘」なのだ。
その二人がともに養女として、『六条院』に部屋を与えられている。
五月五日、源氏は花散里の馬場御殿に出かけたついでに、西の対の玉鬘を訪れて、先日やって来た蛍兵部卿宮のことを色々たずねた。
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