桐壷帝譲位後の系図
光源氏 朧月夜 桐壷院 朱雀帝 東宮(春宮)
左大臣 弘徽殿太后 右大臣
現光寺(源氏寺)
神戸市須磨区須磨寺1丁目 浄土真宗本願寺派
源氏が都を落ちて侘び住まいした住居跡。近くに須磨寺
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ヨーロッパに向かう帆船に収められた我が国の文物の中に、もし、『源氏物語』が入っていたら---。
源氏が21歳のとき、桐壺帝が譲位して桐壺院となり、東宮が朱雀帝(すざくてい)として即位する。
新東宮には、源氏と藤壺との間の子が立った。
右大臣は「帝の外祖父」となり、弘徽殿女御は「帝の母」である弘徽殿大后(おおきさい)となる。
このけっか、左大臣と右大臣の力の均衡が崩れて、権力がおおきく右大臣に傾いた。
右大臣側の者だけが宮中で立身。
源氏や頭中将ら、左大臣側の者は冷や飯を食わされる。
そして、源氏が23歳のとき桐壺院が崩御(ほうぎょ)すると、大后はすぐさま、「謀反」の容疑で源氏を宮中から追放しようと画策する。
京都 風俗博物館
朱雀院(源氏の異母兄)と尚侍の朧月夜(左奥)
26歳のとき、源氏は身の危険を察して、みずから辺鄙な漁村だった須磨へ落ちた。
朧月夜は朱雀帝の后になることはなく、尚侍(ないしのかみ:帝と臣下との取次役)として帝の側近くに仕える。
ただそこは源氏のこと、のちに都に戻ると朧月夜との恋愛は復活する。
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賢木⑩母と娘
斎宮行列
野宮神社出発~JR嵯峨嵐山駅~嵐山渡月橋
市女笠(いちめがさ)をかぶった旅装束の平安女性
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「賢木(さかき)」に戻ります
斎宮(さいぐう)が野の宮を出発する時には、源氏から心のこもった歌と手紙が届いた。
さらに、六条御息所の旅装束から付き添いの女房たちの衣装や調度品まで、きちんと整えて届けてくれた。
御息所(みやすどころ)と斎宮母娘は、奥ゆかしく風雅な趣味人として、つとに知られている。
それゆえ、旅立ちの日にはその華麗な装いを一目見ようと、沿道には大勢の老若男女と物見車が繰りだした。
午後3時すぎに内裏(だいり)に到着するが、御息所は無性に情けなかった。
亡き父の大臣が、「后」の位を望んで「東宮妃」にしてくれたが、いまは悲しいほどに境遇が様変わりしている。
30歳のいま、「后」どころか娘の斎宮の伊勢下向に付き添う形で、ふたたび内裏を目の当たりにするとは---。
紫宸殿(ししんでん) 内裏の正殿
御息所は、紫宸殿を見上げながら悲しみを詠んだ。
○ そのかみを 今日はかけじと 忍ぶれど
心のうちに 物ぞ悲しき
昔のなつかしい日々を今日は思いだすまいと決めていたのですけれど、やはり心の中は悲しみに満ちております
斎宮は、14歳になっている。
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賢木⑪伊勢下り
大極殿跡
京都市千本丸太町北西の児童公園内
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
斎宮(さいぐう)は、14歳になっている。
斎宮 帝の代替りごとに皇族女子の中から選ばれて伊勢神宮に奉仕した
大極殿において、「別れの櫛(くし)」の儀式が催された。
斎宮はもともと奇麗な顔立ちだが、今日はとりわけ華やかに着飾っているので不吉なほどに美しく見える。
朱雀帝(すざくてい)は、斎宮の髪に別れの櫛を挿してあげながら、はるばる伊勢まで下ってゆく斎宮が哀れで、目頭を熱くしている。
別れの櫛の儀式
「斎宮歴史博物館」 三重県多気郡
斎宮が伊勢へ発つ前に参内して別れを告げるとき、帝が櫛を髪に挿して与えた
いっぽう、斎宮が大極殿から退出してくるのを女房車の中で待っている女房たちは、それぞれ馴染みの殿上人(てんじょうびと:貴族)と別れを惜しんでいた。
若い殿上人たちが六条御息所(ろくじょうみやすどころ)のすぐれた学識と際立ったセンスの良さを慕って、野々宮に通っているうち何組かのカップルができたのであろう。
斎宮一行は、日がとっぷりと暮れたころに出発した。
二条大路から洞院(とういん)の大路ヘ曲がるところは、ちょうど二条院の前。
源氏は、夕闇のなかを遥かに伊勢まで旅だってゆく一行を見送りながら、しみじみと感慨にふけっている。
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但し、女性の支持率はさすがに徐々に下がっ
賢木⑫旅の空
逢坂(おうさか)の関
646年の「大化改新の詔」において、畿内の北限とされた
山城と近江の国境
逢坂の関は、東海道と中山道が越える交通の要衝
鈴鹿の関、不破の関とともに三関(さんかん)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
源氏は、夕闇のなかを遥かに伊勢まで旅だってゆく一行を見送りながら、しみじみと感慨にふけっている。
しばらくして気を取り直すと、御息所あてに和歌を詠んで榊(さかき)の枝に挿した。
○ 振り捨てて 今日は行くとも 鈴鹿川
八十瀬の波に 袖は濡れじや
わたしを振り捨てて旅立って行かれますが、鈴鹿川を渡るころには八十瀬(やそせ)の川波(涙)にあなたの袖が濡れはしないでしょうか
すっかり夜が更けてしかも慌ただしい頃だったので、翌朝、逢坂の関の向こうから返事があった。
鈴鹿川
○ 鈴鹿川 八十瀬の波に 濡れ濡れず
伊勢まで誰れか 思ひおこせむ
鈴鹿川の八十瀬の波にわたしの袖が濡れるかどうか分かりませんが、伊勢に行ったわたしのことを誰が思い起こしてくれましょう (光君だって)
筆跡はいかにも典雅だが、感情を抑えた歌が返ってきた。
その日は若紫のいる西の対にも顔を見せず、日がな一日物思いに沈んでいた。
ましてや、旅の空の御息所の思いはいかばかりか。
十月に入ると、桐壷院の病状がたいそう重くなった。
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Amazon.co.jp 「どうして、こんなに危険な法案に国民は反対しないのでしょうか」自衛官の母親。
「断じて」、「絶対に」、「断固として」など、強烈だが、使いようによっては無神経で空疎な言葉を乱発する安倍さんを信じられますか。いずれ、殺し合いの場に駆り出されるのは自衛隊員だけでは間に合わなくなるのは目に見え
賢木⑬桐壷院、崩御
光源氏 藤壺中宮 桐壷院 弘徽殿大后 朱雀帝
東宮(皇太子)
赤坂東宮御所
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
十月に入ると、桐壷院の病状がたいそう重くなった。
朱雀帝が、心配してやってきた。
院はひどく衰弱しているが、東宮の後事を託したあと、源氏のことにも触れた。
「光を頼りにしなさい。
まだ若いが、あれは政治を執らせても間違いないだろう。
世の中を治める相のある人物だ。
それゆえ、わたしは光を親王とはせず、臣下として、朝廷の後見役にしようと思ったのだ。
そうした私の心づもりを忘れないように」
しみじみと心を打つご遺言が多かったのですけれど、政治のことを女(紫式部)が書くべきことではございませんので、そのほんの一部を語るだけでもずいぶんと気が引けることです。
東宮は、帝と日をずらしてお見舞いに訪れた。
東宮は源氏と藤壺とのあいだの子供だが、院は(多分)自分の子と思っている
宮廷の童形(どうぎょう)服
桐壷院は朝廷のしきたりや行事などいろいろな事を教えるが、まだ童形の東宮は幼くて理解できていないようなのが気がかりだった。
源氏には、朝廷に仕えるための心構えをさとし、また東宮をしっかり後見するように頼んだ。
弘徽殿大后もお見舞いに上がろうと思っているが、藤壺中宮がずっと院の枕元に付き添っている。
ためらっているうちに、桐壷院はさほど苦しむこともなく亡くなってしまった。
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賢木⑭荒っぽい右大臣
御苑(枠内)のすぐ東に廬山寺(ろざんじ;紫式部の生誕地跡)
兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや) 藤壺中宮 朱雀帝 弘徽殿大后 右大臣
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ためらっているうちに、桐壷院はさほど苦しむこともなく亡くなってしまった。
朱雀帝(すざくてい)は、まだ若い。
外祖父の右大臣が政治の実権をにぎり、母の弘徽殿大后はだれを憚ることもなく意のままに振る舞うようになった。
右大臣はひどく短気で荒っぽく、底意地の悪い男だ。
「これから世の中はどうなるのだろうか」
右大臣とつながりのない貴族たちはみな、不安そうにささやきあった。
そのときの宮中の雰囲気は、
「(「敵」に対して)むやみに挑発的な安倍政権が何をいいだすか、あるいは勢力に任せてどんな荒っぽい法律を制定するか分からない」
という末裔たちの懸念に通じるだろう。
冷静かつ客観的にものごとを考えて判断するというよりも、首相という公人中の公人がそれでは非常に困るのだが、個人的な情念に引っ張られている気がする。
もしそうであれば、ひとりの人間の個人的情念が、場合によっては、すべての国民を地獄の底まで道連れにすることに他ならない。
前回の総選挙の結果だから、仕方がないのか。
桐壷院にとりわけ愛されていた藤壺中宮と源氏は、しばらく呆然とした日々を送っていた。
源氏は出家しようかとも思うが、それでは幼い東宮や若紫をあとに残すことになる。
四十九日が過ぎたころ、三条宮邸に戻る藤壺中宮を、兄の
兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)が迎えにきた。
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「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録は、韓国と中国が反発しているのて、登録は微妙なところ
賢木⑮見なれし影
上皇・法皇が住んだ。京都御苑内(前回の記事参照)
仙洞御所の庭園
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
四十九日が過ぎたころ、三条宮邸に戻る藤壺中宮を、兄の兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)が迎えにきた。
その日は朝から雪が降りしきり、風が吹き荒れていた。
院の御所はすでに人影か少なくなっていて、しんみりしている。
源氏が中宮の部屋にやってきて、三人で桐壷院の思い出話にいっときを過ごした。
庭先の五葉の松が雪にしおれ、下葉が枯れているのをみて、兵部卿宮、
○ 蔭ひろみ 頼みし松や 枯れにけむ
下葉散りゆく 年の暮れかな
木蔭が広いので頼りにしていた松の木は雪のために枯れ、下葉も枯れて散ってゆく寂しい年の暮れよ
五葉の松
それほどの歌ではないが、折柄、しみじみと源氏の心に触れた。
池の水が一面に凍っているのを見て、源氏、
○ 冴えわたる 池の鏡の さやけきに
見なれし影を 見ぬぞ悲しき
氷の張りつめた池は鏡のように冴えわたっているのに、長年見慣れた桐壷院のお姿を見られない悲しさよ
年が改まった。
諒闇中なので、宮中でも世間でも、華やかな催しをすることもなく、いたって静かな年明けである。
諒闇(りょうあん) ・帝が父母の崩御にあたり喪に服する期間
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独裁者を恐れて、ずっと口をつぐんだまま
賢木⑯人の心
光源氏 朧月夜 桐壷院 弘徽殿太后 右大臣 東宮
除目(じもく) 風俗博物館
・春の除目 国司などの地方官を任命した。正月11日から3夜
・秋の除目 在京諸官庁の大臣を除く官吏を任命する。8月
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
諒闇中なので、宮中でも世間でも、華やかな催しをすることもなく、いたって静かな年明けである。
諒闇(りょうあん) ・帝が父母の崩御にあたり喪に服する期間
源氏は心がふさいで、二条院にひき籠もっている。
地方官を任命する除目のころは、亡き桐壷帝の在位中はもちろん、退位後も、源氏の勢威に変わることはなく、毎年、二条院の門の前には隙間なく馬や車が立ち並んでいた。
今も昔も似たようなものだろう。
権勢家を頼って、猟官運動にきているのだ。
しかし、今年は打って変わって馬も車もまばらである。
政治の実権を握った右大臣に乗り換えたに違いない。
「人の世とは、こういうものなのだろう」
源氏はこれから先のことが思いやられて不安にもなったが、それ以上に、あからさまに「人の心」をみるようで興ざめした。
朧月夜(おぼろづきよ)は、二月に尚侍になった。
・尚侍(ないしのかみ)
宮中女官の最高位。のちに、女御・更衣に準じて後宮に列した
前任者が桐壷院の喪に服したあと、そのまま尼になったからである。
もとはといえば、朧月夜は最有力の東宮妃候補だったが、源氏との密会が露見して入内できなくなったのだった。
このことが、姉の弘徽殿大后をしてますます源氏にたいする激しい憎悪と復讐に駆り立てる。
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まさか、質問者が女性議員だからでは
賢木⑰近親婚
内裏(だいり)
梅壷(うめつぼ) 清涼殿(せいりょうでん) 藤壺(ふじつぼ)
弘徽殿(こきでん) 登花殿(とうかでん)
源氏と朧月夜の出会いの場面
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
もとはといえば、尚侍(ないしのかみ)・朧月夜(おぼろづきよ)は最有力の東宮妃候補だったが、源氏との密通が露見して入内できなくなったのだった。
尚侍は今をときめく右大臣の娘だが、攻撃的で激しい気性の父や姉(弘徽殿大后)(こきでんおおきさい)とは性格がずいぶん異なっている。
明るく活発な人柄だが、言葉も立ち振る舞いも上品である。
また、源氏ら左大臣側の人々を敵視していない。
朱雀帝(すざくてい)は大勢の女御(にょうご)や更衣(こうい)たちの中でも、格別に尚侍を寵愛した。
ちなみに、尚侍は朱雀帝の叔母。
当時は身分社会でもあり、今では考えられないほど限られた狭い世界で、恋愛も婚姻も繰り広げられたのだろう。
「近親婚が何代にもわたって続けば、どんな子供が--」と、もう過ぎ去ったことだが、つい心配になる。
桐壷院亡きあと、弘徽殿大后は実家(右大臣邸)にいることが多くなった。
そして参内(さんだい)するときには梅壷を当てたので、清涼殿にちかく、藤壺と並んで格式の高い弘徽殿は、妹の尚侍にあてがわれた。
尚侍がそれまで住んでいた登花殿が暗くて陰気だったのに対して、弘徽殿は明るくて光があふれている。
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国として、恥ずかしくはないのだろうか
賢木⑱危険な恋
光源氏 朧月夜(おぼろづきよ) 桐壷院 藤壺中宮 朱雀帝 弘徽殿大后 右大臣
国宝「源氏物語絵巻」から「宿木」 徳川美術館 名古屋市
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
尚侍(ないしのかみ 朧月夜)がそれまで住んでいた登花殿が暗くて陰気だったのに対して、弘徽殿は明るく光があふれている。
女房たちも、数えきれないほどに増えた。
しかし、尚侍は片時も源氏を忘れられず、一人になるといつも悲しみに暮れていた。
ひそかに、手紙のやりとりはしている。
源氏は、「噂が立ったらどうなることだろう」と案じながらも、もともと「危険すぎる恋」に強く引かれる性癖なので、かえって恋心がつのった。
藤壺中宮は、故・父桐壷院の后。
尚侍は腹違いの兄朱雀帝の寵姫であり、政敵右大臣の娘。
ともに危険きわまりない、朝廷の根幹を揺るがしかねない「禁断の恋」である。
露見していない前者はもちろん、後者も今なお続いていることがもし発覚すれば、帝に対する反逆罪が成り立つ。
とくに前者は、源氏と藤壺中宮だけではなく、間違いなく東宮にも累が及ぶ。
そもそも、源氏と藤壺中宮とのあいだの子が東宮であること自体、「万世一系」が建前の皇統を冒しているのだ。
なお、「危険な恋」に突き進みがちな源氏は、「据え膳食わぬ」を恥としなかった。
藤壺中宮は、東宮を守るためだけに生きてゆく。
弘徽殿大后は桐壷院の在世中こそ遠慮していたが、亡くなると一気に、源氏を宮廷から追放すべく画策する。
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賢木⑲不快な日々
葵の上 桐壷院 藤壺中宮 朱雀帝 弘徽殿大后
映画「源氏物語 千年の謎」 桐壷更衣と藤壺を演じる真木よう子
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
弘徽殿大后は桐壷院の在世中こそ憚っていたが、亡くなると一気に、源氏を宮廷から追放すべく画策した。
源氏が大后に対してて直接、なにか悪意のある事をしたわけではない。
かつて桐壷更衣に帝の寵愛を奪われた悔しさと、東宮妃になるはずだった妹の朧月夜(おぼろづきよ)の心を奪った源氏に対する恨みを根にもっているのだ。
桐壷院の死後、源氏の周辺に何かと不愉快なことが続くようになった。
親しかった友人たちが、次々と去っていった。
人事の面などで、納得のいかないことが多くなる。
右大臣が宮廷を牛耳るようになって以来、覚悟はしていたものの、いままで味わったことのない不快な日々の連続だ。
世間の人々と交じわっていく気持ちすら失せた。
左大臣も面白くないのか、参内しなくなった。
もう何年も前のことだが、東宮妃に内定していた葵の上(あおいのうえ)を源氏に嬢がせた左大臣を、大后は今なお快く思っていない。
どうやら、葵の上が源氏の正妻におさまったので、朧月夜が東宮妃の候補になったようだ。
その朧月夜と源氏は、いま恋仲である。
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小嶋陽菜写真集 『どうする?』/宝島社
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Amazon.co.jp いよいよ今年の12月をもって、草創期からAKB48グループを牽引してきた車の両輪、前田(ステージ上)と高橋みなみ(リーダー)が二人ともいなくなる。
第二章は、横山由依(リーダー 9期生)とだれが担う?
小嶋陽菜と峯岸みなみの身の振り方は?なぜか、一期生
のメンバーには妙に感情移入してしまう
賢木⑳波風
源氏物語主要登場人物
「源氏物語」ほどの大長編になると、登場人物の名前と立場とそれぞれの関係性を覚えるだけでも大変。人間関係や事件などが複雑に絡み合うともうお手上げ、ではなく頭の体操になります
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
その朧月夜と源氏は、いま恋仲である。
すなわち、東宮(のちの朱雀帝)の立場からすれば、二度も東宮妃候補を義弟の源氏に奪われたのだ。
朱雀帝は気性の激しい右大臣の孫であり弘徽殿大后の息子だが、本人はいたっておとなしく控えめな性格。
その善良だが凡庸な人柄は、俊才の名をほしいままにした源氏といつも比較されてきた。
亡き桐壷帝は、最愛の桐壷更衣の子でもあり、能力的にも格段に優れている源氏を東宮にしたかった。
しかし、母の身分が「いとやむごとなき際にはあらぬ」うえに、強力な後ろ盾がない。
源氏を東宮にゴリ押しして、宮廷に無用な波風を立てるのは賢明ではないと判断。
将来のことを慮って臣籍に降し、「源氏」の姓を与えた。
翻って、安倍晋三閣下は、自分の「個人的な心情」を満足させるためにわざわざ東アジアに波風を立てようとしている。
その日のことを、日本国民も世界も心配している。
こんな愚かなことがあるだろうか。
左大臣と右大臣は、もともと疎遠である。
左大臣のほうが地位は高いが、今は「帝の外祖父」の右大臣が権力を握っている。
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国権の最高機関たる「国会」における専門家たちの意見さえ、「内閣」に都合が悪いと無視しようとする。
今さら、「違憲ではないという著名な学者もたくさんいる」と子供だましのようなことを言っているが、長谷部恭男早大教授は自由民主党が推薦した憲法学者だ。
政治家たちの「言葉」を信じられない国に
賢木21若紫の父
下鴨神社と上賀茂神社の配置
光源氏 若紫(わかむらさき 紫の上) 兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや) 藤壺 朱雀帝 弘徽殿大后 右大臣 朝顔の宮 桃園式部卿宮(ももぞのしきぶきょうのみや)
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
左大臣のほうが地位は高いが、今は朱雀帝の「外祖父」である右大臣が実権を握っている。
そのころ、若紫は源氏の苦境など知るよしもなく、二条院で幸せに暮らしていた。
世間の人々は、そんな若紫の幸運を心から祝福している。
源氏はかつて北山の寺にいた若紫を、父・兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)の目を盗んで、二条院に連れてきた。
若紫が、あこがれの藤壺と生き写しだったからだ。
しばらく兵部卿宮に内密にしていたが、今はなんのわだかまりもなく、紫の上は好きなときに父宮と手紙のやりとりをしている。
ただ、父宮の正妻腹の姫君たちは今もって良縁に恵まれていなかった。
それゆえ、北の方は身分の高い源氏と幸せに暮らしている継子(ままこ)の紫の上を、妬ましく思っていた。
通常の「継子物語」とは逆様である。
そんな時だ。
桐壺院が亡くなって、権力が右大臣に移ったのは。
親しかった友人たちが源氏から一人去り二人去り、三人四人と去っていった。
そしてあろうことか、兵部卿宮までも右大臣と弘徽殿大后をおそれて、紫の上が手紙を書いても返事をよこさなくなった。
賀茂(紫野)斎院跡
賀茂神社(上賀茂+下鴨神社)に奉仕する未婚の皇女or王女が斎王(斎院とも)。
斎王が身を清めて常住する場所が斎院
賀茂の斎院は父・桐壷院の喪に服して斎院を下がり、代わりに桃園式部卿宮の娘・朝顔の宮が斎院に立った。
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いままでは海上で米艦などに給油するのが任務だった。兵士や武器・弾薬を戦場に輸送するようになれば、どんな数字を刻むことでしょう。しかも、戦争参加までほんの一歩。
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いったい、何を言いたいのでしょうね
賢木22朱雀帝
光源氏 朧月夜(おぼろづきよ) 桐壷院 朝顔の宮 朱雀帝 弘徽殿大后 右大臣 六条御息所 頭中将
上賀茂神社
正式名称:賀茂別雷(かもわけいかづち)神社 世界文化遺産
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
賀茂の斎院は父・桐壷院の喪に服して斎院を下がり、代わりに桃園式部卿宮の娘・朝顔の宮が斎院に立った。
源氏はいまも朝顔の宮を忘れられないでいるが、神に仕える身になれば、さすがに諦めざるを得ない。
朝顔の宮も源氏を憎からず思っているが、六条御息所(ろくじょうみやすどころ)の顛末を聞かされて以来、距離を置いている。
源氏は参内(さんだい)して、政務を執るようなことがめっきり減った。
すっかり変わってしまった境遇を紛らすために、なつかしい女君たちたちを思い出しては暇をつぶしていた。
親友でライバルの頭中将(左大臣の長男)も、正妻は右大臣の娘だが、あまり大事にしなかったゆえか不遇をかこっている。
朱雀帝は亡き桐壺院の遺言どおり、源氏を大切に思ってそれなりの処遇をしようとはするが、まだ若いうえに性格がやさしくて毅然としたところがない。
気持ちはあっても、源氏のために何もできないでいる。
政治むきのことは、祖父の右大臣と、蛇蝎のごとく源氏を嫌っている母・弘徽殿大后が勝手し放題で、 口を挟むことすらできなかった。
源氏にとってますます不愉快なことばかり続くが、尚侍(ないしのかみ)の朧月夜(おぼろづきよ)とは密かに情を交わしている。
朧月夜は右大臣の娘であり、大后の妹。
いわば敵側の女だが、まだふたりの関係は続いている。
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安倍晋三さんだって、たまには黒塗りの専用車の中から、「集団的自衛権反対のデモ」を見かけることがあります。
そんなとき、黙って見過ごすような冷たい方ではありません。
あの無機質の尖った声で、お得意の野次を飛ばします。
「おい!君たち。自衛隊員(国民)は
国家のためにあるんだぞ。早く、気付けよ」
賢木23源氏と朧月夜
国宝 大山不動尊五檀護摩法要
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
いわば敵側の女だが、まだふたりの関係は続いている。
宮中で、「五壇の御修法(加持祈祷)」が始まった。
・五壇の御修法 (ごだんのみずほう)
帝の祈りに際し、息災・増益・調伏のために五大明王を
東・南・西・北・中央の五壇に祭って行う密教の修法
修法のために、朱雀帝が慎しんでいる隙間をねらって、源氏は久々に朧月夜と夢のようにはかない逢瀬を楽しんでいる。
女房の中納言の君が、源氏を、朧月夜の待つ「弘徽殿の細殿の局」に招きいれたのだ。
弘徽殿の細殿の局は、ふたりが初めて出会った場所である
源氏と朧月夜の出会いの場 弘徽殿の細殿の局
御修法のため、局の前の廊下を人々がひっきりなしにバタバタ足音を立てて行き交っている。
誰かがいきなり局に入ってきたらと、ふたりは気が気でなかった。
源氏は、朝に夕に見なれていても、なおいつどこで眺めても息をのむように美しい男だ。
まして滅多に会えないならば、しかも一時の逢瀬ならばいかばかりか。
朧月夜も、いままさに女盛り。
身分の高い女に備わっている重々しさにはやや欠けるが、優美で若々しく女の魅力にあふれている。
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利他: 人は人のために生きる 瀬戸内寂聴 稲盛和夫 (小学館文庫)/小学館
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公明党の議員は、瀬戸内寂聴さんの「思い」をなんと聞く。
○ 踏まれても ついてゆきます 下駄の雪
ある自民党幹部が、公明党を揶揄してうっかり口を滑らせた都都逸です。
与党の甘い汁を吸っていたいばかりに、戦争への道を突き進む、「殺生」そのものの「集団的自衛権」
に賛成している仏教徒集団とは、いったい
賢木24宿直申し
平安貴族女子のおしゃれ
滝口の陣
内裏の警備にあたる滝口の武士が、清涼殿の東北の詰所(滝口)にいた
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身分の高い女に備わっている重々しさには快活な分やや欠けるが、優美で若々しく女の魅力にあふれている。
まもなく夜が明けようかという頃、すぐ近くで声がした。
「宿直(とのい)申しの者でございます」
宿直申し 宮中に宿直した衛府(えふ)や滝口の武士が、
毎夜定刻に自分の姓名を名乗ること
「わたしの他にも、近くに女と密会している男がいるのだろう。それを意地の悪い同僚が宿直の者に教えて、わざと嫌がらせに寄こしたのだ」
源氏はそう推測したが、面白いと思う反面、自分に飛び火したら厄介な事になるとひやりとした。
宿直の者は、あちらこちらで声を張り上げている。
「ただいま、4時でございます」
朧月夜、
〇 心から かたがた袖を 濡らすかな
あくと教ふる 声につけても
わたしのほうからお誘いした恋ですもの、涙で袖を濡らしております。夜が明けると教えてくれる声を聞いても、源氏の君に飽かれるのかと不安におののいております
いじらしくて、心魅かれる歌である。
源氏、
〇 嘆きつつ わが世はかくて 過ぐせとや
胸のあくべき 時ぞともなく
一生を嘆きながら過ごせというのでしょうか。胸の思いの晴れる間もなく
もうすぐ、夜が明ける。
暁月夜(あかつきづくよ) 有明の月
源氏は、慌ただしく「弘徽殿の細殿の局」を出た。
夜の深い暁月夜に、何ともいいようのない趣のある霧が立ちこめている。
源氏はお忍びゆえひどく質素な身なりだが、それはそれで見事な男っぷりである。
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はじめての憲法教室 立憲主義の基本から考える (集英社新書)/集英社
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Amazon.co.jp 憲法違反を問われると、安倍首相と取り巻きは、「学者に政治ができるのか。国民を守るのはわれわれ政治家だ」などと論点を外した誠意のない物言いをする。
安倍氏の、質問にまともに答えない国会答弁
賢木25源氏と藤壷
内裏(だいり)
清涼殿 弘徽殿(こきでん) 承香殿(しょうきょうでん)
立蔀(たてじとみ)
縦横に組んだ格子の裏に板を張り衝立(ついたて)のように作って屋外に置き、目隠しや風よけとした
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源氏はお忍びゆえひどく質素な身なりだが、それはそれで見事な男っぷり。
源氏が朧月夜の局(つぼね)から出てきたとき、たまたま右大臣の一族である承香殿の女御の兄・藤の少将が、月あかりが少し影を作っている立蔀の側に立っていた。
そのことに気がつかないで前を通り過ぎたことは、源氏、一生の不覚。
「源氏が、朧月夜の部屋から出てきた」
この事実が、ただで済むわけがない。
弘徽殿大后ら源氏を宮中から排除したい勢力は、朧月夜が朱雀帝の寵姫でもあり最大限利用するだろう。
「帝に対して、謀反の心あり」と騒ぎ立てることができるのだ。
加持祈祷(かじきとう)
病気や災難などを祓うために行う祈祷orその儀式。印を結び真言を唱え、幾つかの象徴的器具を用いて行う
源氏は自分に対してよそよそしい態度を崩さない藤壷中宮を「立派な方だ」と感心する一方、身勝手な気持ちからすれば冷たくされるのはやはり辛く恨めしい。
中宮は、桐壺院亡きあと参内するのが億劫で怠りがちだが、東宮に久しく会っていないことをとても気がかりに思っている。
右大臣全盛の世に、東宮と中宮には源氏のほかに頼れる人物がいない。
そういう認識があるのかどうか、源氏はいまだに中宮に執着して迫ってくる。
東宮をふくめて3人の秘密が、もし世間に知れたらどうなることか。
中宮自身には何があっても構わないが、東宮だけは命をかけても守らなければならない。
源氏は、東宮の父親ではないか。
(中宮は東宮を守るために父親は亡き桐壺院という体にしているが、源氏は自分の息子であることが分かっている)
中宮は僧たちに祈禱を頼んでまで自分への恋を諦めさせようとしたが、どういう手を使ったのか、ある日、思いもかけぬことに、源氏が中宮の部屋に忍びこんできた。
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若手だけではなく、谷垣禎一氏が安倍政権の番犬をやっていること自体、自民党議員の劣化であり腑抜け化ではないか。
日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ 安倍晋三と百田尚樹 /ワック
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「沖縄の二つの新聞社(沖縄タイムスと琉球新報)は、つぶさなあかん」百田尚樹。翌日、「本当に潰れてほしいと思っている」新聞社として「朝日」、「毎日」、「東京」を名指し。
安倍さんと百田氏は意気投合して、共著をだすほどの仲良し小好し。二人とも、「読売」と「産経」は大好きなんだろう。
籾井勝人氏を権柄尽くでNHK会長にねじ込み、百田氏をNHKの経営委員(今は辞職)にして、世間の顰蹙を買ったのはそう昔のことではない。
それ以来、「みなさまのNHK」から、「安倍さまのNHK」へ。
憲法の番人たるべき「内閣法制局」とお金の
元締めである「日本銀行」もまた、安倍さまの
「友達を見ると、その人の人となりがわかる」
賢木 26恋情
光源氏 藤壷中宮 東宮(春宮)
女房装束(しょうぞく)
国宝「源氏物語絵巻」復元模写 徳川美術館蔵 名古屋市
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藤壷中宮は僧たちに祈禱を頼んでまで自分への恋を諦めさせようとしたが、どういう手を使ったのか、ある日、思いもかけぬことに、源氏が中宮の部屋に忍びこんできた。
だれか女房に導かれたのではなく、自分で周到に計画して忍びこんだようで、女房たちは誰も気がつかなかった。
幼い頃からずっと憧れてきた中宮を目の当たりにすると、源氏は、はかない夢のような遣る瀬ない心持ちになって子供のように思いっきり泣きじゃくりたかった。
そして、筆には尽くせないほどに切々と思いの丈を訴えるが、中宮はますます氷のような冷たい表情をよそおって耳をかたく閉じた。
源氏の激しい恋情を跳ね返さねばならない。
中宮は、心の中でつよく念じた。
「東宮の立場と行く末を、すこしは考えてください。東宮に災厄が降りかかったらどうするのですか」
心にかたい鎧をきて必死に東宮を守ろうとするが、生来、心根のやさしい中宮のこと。
ほどなく、胸が苦しくなってうつぶしてしまった。
王命婦(右)と弁の君 風俗博物館
近くに控えていた王命婦(おうみょうぶ)や弁の君たちが、あまりの痛ましさに慌てて近よって声をかける。
「中宮さま!!中宮さま!!」
源氏は、中宮のあまりのつれなさに呆然と突っ立っている。
もう明け方近いというのに、源氏は自分が今どこで何をしているのかさえ分からなくなっていた。
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自民党若手の「文化芸術懇話会」(代表:木原稔衆議院議員 45歳)での言論封殺を狙った暴論の数々を、発言者名と選挙区とともに列挙します。
次の選挙のとき、投票の判断材料にしてください。
それにしても、「文化芸術懇話会」とは、なんと高尚な名称でしょう。
しかし、なんと低俗で卑劣な実体でしょう。
大西英男衆院議員(68 東京16区、当選2回)
「マスコミを懲らしめるには、広告料収入がなくなるのが一番。政治家には言えないことで、安倍晋三首相も言えないことだが、不買運動じゃないが、日本を過つ企業に広告料を支払うなんてとんでもないと、経団連などに働きかけしてほしい」
・少子化問題で質問中の上西小百合議員に対するセクハラやじで問題になった前科があります。
「まず、自分が子どもを産まないとダメだぞ」
井上貴博衆院議員(53 福岡1区、当選2回)
「福岡の青年会議所理事長の時、マスコミを叩いたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることが分かった」
長尾敬衆院議員(52 比例近畿ブロック、当選2回)
「沖縄の特殊なメディア構造をつくったのは戦後保守の堕落だ。先生(百田尚樹)なら沖縄のゆがんだ世論を正しい方向に持っていくために、どのようなアクションを起こすか。左翼勢力に完全に乗っ取られている」
今この時期に、安倍晋三という人物と安倍自民党の体質が、国民に見える形で表にでたことは、
とっても良かったと思っています
賢木27王命婦
後宮に仕える女房の服装 ・上流貴族の平服
塗籠(ぬりごめ)
寝殿で最も神聖な場所で、先祖伝来の宝物を収納したり寝所にあてたりした。
平安後期になると、神聖視が薄れ物置きとしても使われた
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もう明け方近いというのに、源氏は、自分が今どこで何をしているのかさえ分からなくなっていた。
藤壷中宮の部屋を出ていくことさえ忘れている。
中宮が体調を崩したことに驚いて、女房たちがあわただしく駆けつけてきた。
王命婦(おうみょうぶ)と弁の君(べんのきみ)は、ほかの女房たちに気付かれないように、茫然自失として立ちすくんでいる源氏を塗籠の部屋に押し込めた。
それから、ふたりは源氏が脱ぎ捨てていた直衣(のうし)などの衣装を取り集めて、見つからないように隠し持っていた。
源氏の直衣を隠し持つ王命婦(おうみょうぶ) 風俗博物館
中宮は、何もかもがつらくて思い悩んでいた。
ほどなく、兄の兵部卿宮(ひょうぶきょうのみや)が見舞いにやってきた。
そして、すぐに加持祈祷(かじきとう)をさせるため、
「早く、僧たちを呼びなさい」
などと騒いでいる。
源氏は、塗籠の中でやるせなく聞いているほかない。
日が暮れてゆく頃に、中宮の容体はどうやら落ち着いてきた。
中宮は、まさか、源氏が塗籠の中に身を潜めているとは思いもよらない。
王命婦と弁の君は、中宮の心を二度とかき乱してはならないと思って黙っていた。
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村上誠一郎衆議院議員は、「安倍政治」にただひとり異を唱えている自民党の現職議員。
主要閣僚と党三役にもリベラル派がいるが、「人事」と「金」と「公認権」を握っている官邸が怖くて、日本の曲がり角ともいえる大事な時に沈黙したまま、「右翼政権」に追従している。
その負い目もあってか、周辺から、「村上誠一郎はスタンドプレーだ」といった恥知らずな声が。
亡国の安保政策――安倍政権と「積極的平和主義」の罠/岩波書店
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百田尚樹氏 (民間人だが、安倍晋三氏と共著もある盟友)
自民党本部で催された「文化芸術懇話会」に参加した議員たちの質問への回答。
「本当に沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん。沖縄県人がどう目を覚ますか。あってはいけないことだが、沖縄のどっかの島でも中国にとられてしまえば目を覚ますはずだ」
「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。周りに何もない。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだし、今や街の真ん中に基地がある。騒音がうるさいのは分かるが、そこを選んで住んだのは誰やと言いたくなる。
基地の地主たちは大金持ちなんですよ。彼らはもし基地が出て行ったりしたら、えらいことになる。出て行きましょうかと言うと『出て行くな、置いとけ』。何がしたいのか」
「沖縄の米兵が犯したレイプ犯罪よりも、沖縄県全体で沖縄人自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い」
「政治家というのは、理念、信念、大事ですが、言葉が大事だ。戦争と愛については何をしても許されるという言葉があるが、政治家もある程度『負』の部分はネグったらいい。
いかに心に届くか。その目的のためには多少……もちろんウソはダメですが」
「南太平洋の小さな島。ナウルとかバヌアツとか。ツバルなんか、もう沈みそう。家で例えれば、くそ貧乏長屋。
とるものも何もない。アイスランドは年中、氷。資源もない。そんな国、誰がとるか」
最後の回答に、「文化芸術懇話会」に参加していた国会に棲息している
エセ文化人たちから笑いが起きたそうな
自民党の大物OBは積極的に、「安保法案(戦争法案)」反対の論陣を張っている。
執行部のひとり、「OBたちを黙らせろ!!」