二十二帖 玉鬘
光源氏.太政大臣 35歳4月~10月
玉鬘 21歳 京・九条
長谷寺本堂(礼堂)遠望
奈良県桜井市初瀬にある『真言宗豊山派』総本山。
大和と伊勢を結ぶ『初瀬街道』を見下ろす
初瀬山の中腹に「本堂」が建つ。
道綱の母『蜻蛉日記』、清少納言『枕草子』、
『源氏物語』、菅原孝標の女『更級日記』
など多くの古典文学に登場する。
「玉鬘」のエピソードに登場する
二本の杉は現在も境内に残っている
故・夕顔の娘(玉鬘)を
探すため御利益をえようと長谷寺に
参詣する途中『椿市の宿』に着いた右近は、
たまたま玉鬘一行と相部屋になり再会を果たす。
絵の右上に、『長谷寺』の長い階段が描かれている。
ふだんあまり身体を動かすことのない玉鬘は、歩き始めるとすぐに息が上がったが、乳母や豊後介たちに励まされて美しい顔に汗を垂らしながら無我夢中で足を前に運んだ。
そんな苦しい息づかいのなかで、玉鬘はあれこれと思いをめぐらしていた。
「どのような前世の罪障深い因縁があって、わたしはこのような流浪の日々を送らなければらならないのだろう。
わずか四歳のときに都を離れて、九州の筑前(大宰府)それから肥前(唐津)へと、およそ20年に及ぶさすらいの末に、ふたたび都に戻ってきた。
母上、もしすでにお亡くなりになっておられるのならば、わたしを不憫に思って迎えに来てください。
もし、この世に生きておられるのなら、お顔をお見せください」
源氏と同じく、玉鬘も、母親の面影すら覚えていない。
九条を立って四日目の午前10時ごろ、一行はやっとの思いで、椿市という長谷寺参詣の入り口に着いた。
*椿市/海柘榴市 つばいち
奈良県桜井市三輪付近にあり、古代から水陸交通の要地であった。
平安時代以降、長谷寺参詣の入り口として栄えた。
玉鬘は疲れ切っている上に足の裏の痛みがひどく、もはや一歩も歩けない状態である。
宿を借りて、しばらく休むことにした。
しかし、宿は満室。
豊後介は、予約している客たちがまだ来ていない部屋の一角を貸してくれるよう無理やり頼み込んだ。
一行は、部屋の片隅に屏風をめぐらして目立たないようひっそりと息をひそめていた。
豊後介は、観音様に供えるお灯明などを手に入れるため町に出かけた。
日が暮れかかったころ、屏風の向こう側にかなりの数の予約客がやって来た。
あちらの一行も、徒歩の旅だったようだ。
身分の高そうな女ふたりに、大勢の男女が従っている。
屏風のあちらとこちら双方とも、大声を出したり余計な物音を立てたりして相客に迷惑をかけないよう気を遣っていた。
豊後介が、食事なのであろう、「折敷」を自分で運んできた。
乳母に、
「ちゃんとしたお膳などを用意できなくて申し訳ございませんが、これを姫君に差し上げてください」
その聞き覚えのある男の声を聞いて驚いたのが、屏風越しに身体を休めている右近である。
右近は亡き夕顔の遺児である玉鬘を探すため、観音様の御利益に与かろうとたびたび長谷寺に参詣している。
右近が屏風のすき間からのぞくと、確かに見たことのある男だ。
しかし、誰か、どうしても思い出せない。
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絶望迷言
昨年秋の衆院選に関し、
30代前半までの若い有権者層で
自民党の得票率が高かったとした上で、
『一番新聞を読まない世代だ。読まない人は全部自民党だ』
麻生太郎副総理兼財務相
世の中の「動き」と「将来」に関心のない者は新聞を読まない。
20代と30代前半の若者に多く、彼らは自民党に投票する。
物を考えない若者は、安倍自民党の「お客様」である。
麻生氏の迷言の意味するところはつとに知られて
いるが、事柄の半面しか言い当てていない。
新聞にも色々ある
何があろうと安倍政権に追従する
『読売』と『産経』は、この限りではない。
権力に対する『批判精神』を欠いた新聞は、国民に代わ