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朝顔⑫夜離れ

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第二十帖 朝顔

 

光源氏の内大臣時代 32歳九月~冬

 

大内裏

帝の私的住居である『内裏』を中心として

『朝堂院』などの諸官庁を配置した。

平城京・平安京についていう。

 

 

○ ● ○  ○ ● 〇

 

 

朝顔姫宮には兄弟姉妹はたくさんいるが、それぞれ誰ひとり同腹ではない。

 

お互い疎遠で滅多に往来することはなく、時の経過とともに宮邸は寂れていった。

 

日々の衣食にもしだいに事欠くようになる。

 

・当時、宮家や藤原氏の本家筋でも、父親が亡くなると息子は出家したり格下の他家に仕えたり流浪の身となったりした。

は他家に女房として仕えたり、ときには苦界に身を落とすことさえあったようだ。

 

生活の困窮が身に沁みている女房たちはそろって姫宮が時の権勢家であり人間的にも魅力のある源氏の熱心な求愛を拒んでいることが理解できず不満に思っていた。

 

 

 

 

一方、源氏は、浮気をすれば世間から非難されるだろうが、このまま引き下がるのは悔しいと思っている。

 

「この恋が成就しなければ、世間の物笑いになるだろう。

どうしたものか」

 

そんなこんなで、宮中での寝泊まりがつづき、二条院にはもう何日も帰っていない。

 

 

紫の上は、淋しい夜離れが続いている。

 

我慢しているが、つい涙がこぼれることもある。

 

 

 

ある日、紫の上の涙を見た源氏は、

 
「どうかしましたか。なにが悲しいのですか」
 
紫の上の髪を愛おしそうにかきやっている様子は、一幅の絵のように美しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光源氏は現代人でいうなら誰だろうと想いを巡らした結果、

日本人に限ればかつて光源氏を演じた市川雷蔵

世界に視野を広げるとアラン・ドロンでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶望名言

将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。

将来にむかってつまずくこと、これはできます。

一番うまくできるのは倒れたままでいること。

フランツ・カフカ

グレゴール・ザムザが、ある朝自室のベッドで目覚めると、

自分が巨大な毒虫の姿になっていることに気が付く。

突然のことに戸惑いながらも、もう少し眠って

代表作『変身』から

 

 

 


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