第十九帖 『薄雲』
光源氏内大臣時代 31歳冬~32歳秋
寝殿造の平面図
【寝殿】は素木造しらきづくりで、柱は丸柱。正面中央には『木階
もくかい』がつけられ、『階隠はしかくし』が設けられた。
『母屋』には壁で仕切られた閉鎖的な『塗籠ぬりごめ』が設けられ
主人の寝所とした。【寝殿】の名は中国の『正寝せいしん』
に由来し、寝所を意味したものではない。
対屋
【寝殿】に対応する【対屋】は、寝殿の棟が東西方向なのに対して
南北。その位置によって『東対』、『西対』とよばれる。
正門が東にある邸宅では『東対』が、西の邸宅では
『西対』が、寝殿とともに『儀式の場』になった。
『北対』は家族の奥向きの居住空間。
【寝殿】と【対屋】を結ぶ【渡殿】は廊下で
『渡廊わたろう』or『細殿ほそどの』と呼ばれた。
【対屋】と【廊】は、【寝殿】と同じ素木造で屋根は檜皮葺ひわだぶき。
敷地内に建てられた建物には、【随身所ずいじんどころ】
【車宿くるまやどり】、【台盤所だいばんどころ】、【侍所】があった。
当時の寝殿造の邸宅で現存するものはないが、『駒競行幸
絵巻こまくらべぎょうこうえまき』に描かれる【高陽院かやいん】
や『年中行事絵巻』に描かれる【東三条殿】により概要が知られる。
建物内の舗設しつらいは、『源氏物語絵巻』に描かれている。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「明石の君は、どんなにつらかろう。姫の行く末ためとはいえ罪深いことをしたものだ」
夕闇が迫るころ、源氏一行は二条院に着いた。
牛車を降りて、はじめて二条院を目の当たりにした女房たちは、今まで見たこともない豪華できらびやかな佇まいに気後れがした。
「こんなに立派なお邸で、ご奉公することになるとは」
緊張の面持ちである。
姫君のためには西対に部屋を特別に設えてあり、可愛いらしい小さな道具類をたくさん揃えてあった。
乳母には、西の渡殿の北側に部屋を用意してあった。
姫君は、大堰からの道すがら牛車の中で眠ってしまった。
二条院について、乳母に抱きおろされても泣いたりはしなかった。
さっそく、養母となる紫の上の部屋に通された。
しばらく紫の上と機嫌よくお菓子を食べたりしていたが、ふと何かに気がついたようにあわてて辺りを見回した。
母親の姿が、どこにも見えない。
しばらくして、先ほど、牛車で【大堰の館】を出るとき、母の明石の君が牛車に乗らなかったことを思い出した。
姫君は泣きべそをかき、頬を心ぼそげな涙が伝った。
紫の上は乳母を呼びにやった。
紫の上つきの女房たちは噂しあい残念がった。
「どうして、こちらにはお子様がお生まれにならないのでしょう。こちらにお生まれになれば、何の問題もございませんのに」
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