光源氏の引っ越し
①母の実家で誕生 (母と祖母が死去)→②内裏の淑景舎=桐壺
→③二条院 (母里を増築)→④六条院 (六条御息所の旧邸を増築)
約3年間は、『須磨』それから『明石』で暮らした。
母の実家のち二条院
桐壺更衣の実家で誕生 → 内裏の淑景舎しげいしゃ=桐壺 →
二条院/母里を桐壺帝が増改築 → 六条院/六条御息所の旧邸を増改築
淑景舎しげいしゃ = 桐壺 右列の上から2つ目
六条院 復元模型
東本願寺の別邸、【渉成園】(【枳殻邸きこくてい】)が擬せられている。
徳川家光が、東本願寺に寄進した。
もとは光源氏のモデルの一人・源融(河原左大臣)の所領地。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
いくら姫君の将来のためとはいえ、3歳になったばかりの女の子をむりやり母親から引き離していいのか。
残された明石の君の悲痛は、いかばかりか。
源氏は明石の君にいいだせず、涙ぐんだ目で娘を見つめていた。
3歳とは思えないほど美しい顔立ちの姫君は、初めは源氏に対して少し人見知りしていたが、だんだん打ち解けてきた。
源氏が父親であるという意識はあるのかないのか、あどけない表情で何かを話しかけたり笑いかけたりして親しみを見せるようになる。
源氏が可愛くてたまらないわが娘を抱き上げると、女房たちには姫君の将来の幸運と幸福が保証されているように見えた。
翌日、源氏が都に帰ろうとしているところへ、乳母が姫君を抱いて出て来た。
娘の頭を撫でながら、
「しばらく姫君に会えないのは辛い。やはり、大堰の里は遠いな」
乳母、
「わたくしも、源氏の君がいつお越しになられるのか気がかりで、明石にいた頃より、気持ちの上ではずっと遠くに感じられます」
父親に抱かれたいのか、姫君は源氏の方へ手を伸ばして移ろうとしている。
二条院に戻ると、源氏はしばらく休んだあと、紫の上に大堰の里でのことを話し始めた。
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