光源氏を演じた俳優たち②
沢田研二 八千草薫/桐壺更衣と藤壺 二役
TBSテレビドラマ 『源氏物語』 1981年
東山紀之 青年期
TBSテレビドラマ 『源氏物語』 1991年
片岡孝夫/仁左衛門 壮年期
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
源氏は、明石の君がすでに【大堰の館】に到着して自分の訪れを待っていることを知りながら、紫の上の気持ちを忖度して何日間も躊躇していたが、ついに出かけることにした。
出かける前に、明石の君が洛外の嵯峨野に来ていることを紫の上に話した。
紫の上が第三者から耳打ちされたら、もっと傷つき取り返しがつかなくなると恐れたからである。
「桂の別荘 (以後、【桂の院】) に用事があるのですが、いつの間にか何日か過ぎてしまいました。
【桂の院】の辺りに、明石の君が来ていて待っております。
いつまでも待たせるわけにはいかないので、今から出かけます。
また、【御堂】には飾り付けの終わっていない仏像があるので、2~3日は滞在することになりましょう」
紫の上は、さすがに面白くない。
「【桂の院】辺りでは、ずいぶんとゆっくりなさるのでしょうね。
お帰りが待ち遠しいこと」
不機嫌である。
「またまた、そんな邪推をなさって。あなたの悪いところですよ。
わたしはめっきり浮気をしなくなったと、世間の人々はウワサしておりますのに」
何やかやと紫の上の機嫌をとっているうちに、すっかり日が高くなってしまった。
牛車を用意させ、惟光たち気心の知れた従者を伴ってひっそりと二条院を出発、黄昏どきに明石の君の待つ【大堰の館】に着いた。
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