Quantcast
Channel: 吉備路残照△古代ロマン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

明石25懐妊

$
0
0

紫式部像 紫式部公園 
紫式部公園 福井県越前市
日野山(越前富士)を仰ぐ、金色にかがやく「紫式部像」

紫式部は約2年、越前守に任官した父・藤原為時とともに国府のあった武生(たけふ/現在は越前市の一部)で過ごした。

越前国府 越前国府跡
紫式部は帰京後、父の友人・藤原宣孝(のぶたか)と結婚。

紫式部像と宇治橋 紫式部像と宇治川と宇治橋
第45帖の「橋姫」から第54帖の「夢浮橋」までの宇治十帖は、光源氏の死後の物語で、宇治が舞台。

「紫式部像」の手前を右にお茶の香りの中を5~6分歩くと、世界遺産の「宇治平等院」。
川向こうに、「宇治上神社」と「宇治市源氏物語ミュージアム」がある。

   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆   ◇

源氏の君が宮廷で立身されてこそ、私たちの願いも叶うのだ」

源氏がこのままずっと明石にくすぶっているようでは、入道の所期の目的は果たせない。

ただし、源氏が宮廷でどれほど栄達を重ねても、を妻として都に呼んでくれなければ何の意味もない。

ひたすら、そのことを願うのみである。

良清ら同じ受領階級(国守)の男と結婚させる気はないし、もその気でいる。



入道はもともと上流貴族の家に生まれたが、自由人の彼には形式ばった宮廷生活が窮屈で、自ら国守(播磨守)を希望して明石に下ってきたのだった。

地方官(国守はそのトップ)は、中流貴族に属する。

しかし、入道は、が成長するにつれて、やこれからが生むであろう孫たちのことを思うと、やはり上流に戻ってほしいと強く願うようになった。

そんな時、源氏が須磨でわび住まいをしているとの噂を耳にした。

源氏は臣籍に下っているとはいえ、亡き桐壺院の血を引いている。

入道にしてみれば、上流復帰への絶好の機会である。



明石の君は、六月頃から懐妊の兆候があらわれて悪阻に苦しんでいる。

懐妊の知らせを聞いてからというもの、源氏は毎晩のように岡辺の館に通った。

別れが間近かに迫って、感傷的になっていることもあろう。

明石の君は、いうまでもなく悲しみに暮れている。

源氏には待ちに待ったうれしい帰京だが、「もう二度と戻って来ることはあるまい」と思うと感慨無量である。

惟光良清ら従者たちは、やっと都に戻れるとそろって喜色満面だ。

都から迎えの人々が大勢やってきた。



入道が涙にくれているうちに、月が替わった。

帰京の二日前、源氏はいつもより早く、まだ夜が更けないうちにやって来た。



新源氏物語 (中) (新潮文庫)/新潮社

¥810
Amazon.co.jp


                                



                                

                


またまた、スピッツが、静かな湖面に石を投げるよう
なことを。「靖国」のときのように、アメリカ
さまに怒られて尻尾を巻かないように ペタしてね


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1644

Trending Articles